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【76歳・自分ファーストな暮らし】70歳目前で入居したシニア向けマンション選びのコツは?

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ゆうゆう編集部

人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介する「小さい暮らし」の見本帖。今回、登場いただくのは、真藤眞榮さん。都心のビルから移り住んだシニアマンションで自分ファーストの暮らしを満喫中です。

Profile

真藤眞榮さん
しんどうまさえ●枯藤庵隠居 1949年北海道生まれ。50年以上前に太宰府のお茶室から譲り受けた扁額(横長の看板)の「枯藤庵」(ことうあん)が真藤さんのSNSのアカウント名。ひとり娘の舞衣子さんは料理家。現在の住まいの下見を一緒にし、「ここなら安心」とお墨付きをもらった。

母を看取り、赤坂の実家を手放して身軽に

「70歳過ぎて、こんな楽しいことがあったなんて!」―そう目を輝かせる真藤眞榮さんが近ごろハマっているのはビリヤード。「全然思うようにいかないの」と週4で奮闘する姿に、日々の充実ぶりがうかがえる。

現在76歳の真藤さんは、70歳目前でこちらのシニア向けマンションに入居した。分譲型で通常のマンションと同様の生活が送れ、24時間体制の見守りサービスもある。食堂や大浴場が利用でき、サークル活動も盛ん。ビリヤードを筆頭に、チェスや卓球などをめいっぱい楽しんでいる。

真藤さんがこれまでの人生の大半を過ごしたのは、幼少期に両親と移り住んだ東京・赤坂だった。20代の頃、街の発展と足並みをそろえるように両親が木造の古家を住居併用のテナントビルに建て替えたが、想定どおりの収益が得られず、大きな借財となってしまう。結婚、出産、離婚を経て、事務員として20年以上働きながら、真藤さんはそのビルの管理と母親の介護を担ってきた。

「建物を管理するというのは本当に大変で……。そこで母を看取り、借金を完済することが私のミッションでした。母を見送ったあと、未練も何もなくビルを売却。今後の住まいのことを考えていたときに、仲よくしていたご家族のおばちゃまが亡くなり、この部屋が空いたと耳にして、見せてほしいとお願いしたんです」

このシニア向けマンションは、真藤さんにはまったく縁のない横浜市の郊外にある。周囲には「赤坂から出たことがない人が大丈夫?」と心配されたが、「駅からの道すがらの公園で目にしたカモがかわいくて、それがポイント高かったわね(笑)。亡くなったおばちゃまが、ここで機嫌よく暮らしていたということも、引っ越しを決めるきっかけになりました」。

引っ越しを機に仏壇を手放し、両親の位牌は飾り棚に収めて毎朝手を合わせている。フラワーアレンジは知人からの誕生日祝い。京都「染司よしおか」の額入りの染物は、季節に合わせた色合いのものにかけ替えて楽しんでいる。

「畳のふき掃除から解放されたくて」、和室を洋室にリフォームして寝室に。ベッドメイキングを毎朝の習慣にしている。

左は60年愛用している「松本民芸家具」の椅子。麻雀仲間が集まる日のために、同じデザインの右の椅子を同社で新調した。

入居後に新しくした、今の暮らしにちょうどいいキッチン。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)のさきがけともいえるこちらのマンション。入居時に55歳以上であることや、自立していることなどの条件がある。「スタッフさんは外から戻ると『おかえりなさい』と声をかけてくれるフレンドリーな方ばかり。看護師さんが常駐している健康管理室があるのも安心なの」

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