約130軒の家を設計してきた一級建築士。26万人に支持される「幸せに住みこなすため」の発信とは?
「一級建築士の95%ぐらいは風水とか家相が大嫌いなんです。僕も元々嫌いでした」と語る八納啓創さん。それがなぜ家相や風水を研究し、一般向けに発信するようになったのか。設計した家で起きた出来事、一度は設計をやめようと思った葛藤、そしてコロナ禍で決意した情報発信への想いを聞いた。
設計した家で起きた「不幸な出来事」が転機に
八納さんが家相や風水に興味を持ったきっかけは、決して学問的好奇心からではなかった。自分が設計したお客さんの家で起きたことが大きな転機となったのだという。
「自分が設計させていただいたお客さんの家で不幸があったりして、いろいろ調べていたら、日本の風水である家相というものがすごく関わっているなということが分かったんです。でも同時に、一級建築士としての葛藤も生まれました。ここに中庭があったら素敵だなと思っても、その場所に中庭を作ると家族の方に影響があるとなったら、中庭を設計で作れないんです」
この体験は八納さんに深刻な職業的危機をもたらした。自分が引いた一本の線で、そこに住む人たちの人生が左右される可能性があるとしたら、建築士としての責任はあまりにも重い。
「自分が死ぬ頃に、後悔しそうな感じがしたので、それで設計をやめようと思った時もありました。でも、それをちゃんと叶えるような間取り設計ができるようになったら、逆にそれを逆転させて多くの人にいい間取りが提供できるんじゃないかなと思ったんです」
130軒の実例で検証した家相の効果
八納さんはその後、風水の先生や家相の先生に弟子入りし、一級建築士としてそれをどう使いこなすかを研究し始めた。重要だったのは、家を設計して終わりではなく、実際にそこに住んでもらって「本当にどんな風になっていくのか」を検証することだった。
「設計して出来上がって住んでもらって、実際どんな風になっていっているのかを拝見させてもらいながら、確かにこの間取りはこうなっていってるなというのを検証させてもらいました。全てではありませんが、いくつかそういったことを実際見させていただいた感じです」
これまで130軒近くの家を設計してきた八納さんの経験と、YouTube「幸運すまいチャンネル」のリスナーとのやり取りで蓄積してきた知識は、多くの人に信頼される情報として発信されている。
「コメントをいただいた中でのやり取りで培ってきた内容なので、多くの人が本当に信頼して実践していただけるんじゃないかと思っています」
