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実話ミステリー級:犯人を特定したのは“DNA”だった——その最初の事件

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ゆうゆうtime編集部

実は、軽度の知的障害がある青年が少女2人の殺害の容疑者と見なされて拘束されたのだが、1人の殺害しか認めなかった。ジェフリーズは自らが開発したテクニックを用い、この青年の血液のDNAと被害者から採取された体液のDNAを比較した。DNAはマッチせず、青年がまったくの無実であることが分かった。その後、近隣の男性全員に協力を求めて[協力しないとやましいことがあると見なされたので、5000人近くが協力した]血液を採取し、DNAを鑑定したが、犯人のDNAと一致するDNAは見つからなかった。

捜査はまたもや行き詰まって振り出しに戻ったかと思われたが、1987年8月1日に1人の女性が警察署を訪れ、さきほどパブで気になる会話を耳にした、と通報した。ある男性客が「友人のコリン・ピッチフォークに頼まれて身代わりとなり、DNA検査を受けて200ポンドの報酬を得た」と得意げに語っていたのだ。すぐにピッチフォークは逮捕され、DNA型鑑定で犯人だと断定された。

彼は、DNAを決定的な証拠として断罪された、初めての犯罪者である。

それ以降、DNA型鑑定技術は驚くほど進化し、精度と感受性を大幅に高めた。当初、DNA解析にはそれなりの量の血液が必要であったが、現在では数個の細胞で事足りる。

個人を特定するのに役立つテクニックはほかにも存在しており、私がここに紹介したのは最も代表的なものにすぎない。

犯罪科学の進化は続いており、これからも私たちを驚かす新しいテクニックが登場するに違いない。

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著者 Profile

フィリップ・ボクソ(Philippe Boxho)
法医学医。作家。
1965年生まれ。ベルギーを代表する法医学医であり、同分野の第一人者。リエージュ大学法医学教授、および同大学法医学研究所所長を務める。そのキャリアにおいて6000体を超える検案、4000体以上の司法解剖を執刀。膨大な専門知識を有する医学の権威として、重罪裁判所での証言回数は300回以上に及ぶ。医学・学術界への貢献に加え、作家としてもフランスやベルギーで絶大な人気を誇り、本書を含め、著作は世界で累計160万部を売り上げる。「死」や「法医学」という厳粛な現実を、人々の知的好奇心を揺さぶる一級の物語へと昇華させるその筆致は、多くの読者を魅了してやまない。

※この記事は『死体は語りだす』フィリップ・ボクソ著、神田順子訳(三笠書房刊)の内容を、ウェブ記事用に再編集したものです。

死体は語りだす

フィリップ・ボクソ著、 神田順子訳
三笠書房刊

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