クリスマスローズの苗を購入する前に必見! 園芸店のスーパーバイヤーに教わる【苗の選び方】と【土と鉢の準備】の基礎知識
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園芸ガイド編集部
うつむいて咲きながら、凛とした空気を漂わせる宿根草 宿根草とは、一度植えると毎年花を咲かせる植物のことです。冬に地上部が枯れても地下部が生き続け、翌年再び芽を出す植物を指すことが多いです。
目次
1株だけでも庭がなくても育てられる宿根草
クリスマスローズは花の個性が多様で、魅力がつきない花です。とはいっても、まだ育てたことなない方にとっては、草花に比べると「高嶺の花」と感じるかもしれません。
「でもうまく管理すれば毎年花を楽しめますし、大株に育てることもできます。庭植えはもちろん、ベランダしかなくても鉢植えで十分花を咲かせられます」と神藤さん。
まずは1株から、ぜひ育ててみましょう!
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詳細はコチラはじめて育てるなら開花株からスタート
特に、はじめてクリスマスローズを買う場合は、開花株を購入するのがおすすめです。種類にもよりますが、開花株は12月から2月くらいまで店頭に並びます。
「通常は3年生の苗なので、株もしっかり育っていて安心して育てられます。ネット通販も便利ですが、実際に園芸店に足を運んでみることをおすすめします。花色、花形、草姿などを自分の目で見て、長くかわいがれるお気に入りの株を見つけましょう」
購入したらできるだけ早く植えかえる
開花株は、購入したらできるだけ早く植え替えます。すでに根が回っている場合もありますし、早く植えかえれば二番花以降のつぼみの開花も楽しめます。
「クリスマスローズは地植えでも鉢植えでも育てられますが、1株なら鉢植えから始めるのもおすすめです。鉢なら、開花中は花がよく見える場所に置くなどして楽しめますし、夏場に日陰に移動させるときなども簡単です。栽培ポイントの基本さえおさえておけば、丈夫に育ってくれますので、ぜひ長くじょうずにつきあってくださいね」
クリスマスローズに適した土は?
まず、クリスマスローズにはどんな土が適しているのでしょうか? 培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。
「株数が少ないなら、クリスマスローズ用にpHや水はけなどを考慮して配合されている培養土
写真は、金久オリジナルのクリスマスローズ用の培養土 培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。 培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。 赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。
「自分で土をブレンドする場合は、赤玉土
どういう鉢を選んだらいい?
次に、クリスマスローズを植える鉢について。
「おすすめは、通気性が高い素焼き鉢やスリット鉢です」
スリット鉢とは、底面にスリット(細い切れ込み)が入っている鉢のこと。
こちらがスリット鉢です。プラスチック製ですが、側面にスリットが入っているので通気性が高いのが特徴です。 根鉢とは、鉢植えの植物を鉢から抜いたときに、土と根がかたまりになっている部分のことを指します。
「鉢の形状は、次に植えかえるときのことも考えて、口がすぼまっているツボ型は根鉢
「鉢は苗よりも一回り大きいものに植えますが、苗と鉢を別に用意すると大きさを間違いやすいので、苗を購入する際に鉢もいっしょに選ぶとよいでしょう」
苗選びの注意点は?
園芸店の売り場で、花が気に入った苗が何ポットかあったら、何を基準に選ぶといいのでしょう。
「クリスマスローズは、葉の出方を見比べてみましょう」
「写真左の苗のように葉数はたくさん出ていても葉が小さかったり色があせている株は、やや栄養失調ぎみ。右の株のように、数は少なくても大きくしっかりした葉が出ている株を選びましょう」
並べて見比べてみると、右の株が元気なことがわかりますね。
はじめて育てるならどんな品種?
クリスマスローズがはじめての方には、管理しやすいガーデンハイブリッドをおすすめします。ガーデンハイブリットとは園芸交配種のこと。
「その大きな理由は、ガーデンハイブリットは夏場の暑さに強いこと。翌年以降も花を楽しむには、夏越し 夏越しとは、暑さに弱い植物を夏の高温や強い日差しから守り、元気な状態で夏を乗り切らせる管理のことです。鉢を日陰に移動する、風通しをよくする、水やりを工夫するなどの対策が必要です。 原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。
「原種
庭植えで楽しみたい場合は?
「庭植えにするなら、1〜2年、鉢で育ててある程度大株になってからのほうが安心です。植えつける場所は、夏場に半日陰になるような場所(冬は日が当たる落葉樹の下など)が理想的です。一年を通してどんな環境か、よく観察してから植えましょう」 培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。
「植えつけは、40㎝程度の深さの穴を掘り、よく耕します。クリスマスローズ専用培養土
夏越しはたいへん?
「クリスマスローズは暑さに弱いと言われていますが、管理に気をつければ夏越し 夏越しとは、暑さに弱い植物を夏の高温や強い日差しから守り、元気な状態で夏を乗り切らせる管理のことです。鉢を日陰に移動する、風通しをよくする、水やりを工夫するなどの対策が必要です。 寒冷紗とは、綿や化学繊維でできた目の粗い布で、植物を日差しや霜、害虫から守るために使います。目の粗さや色の違いで、遮光率が変わります。
鉢植えの楽しみ方は?
クリスマスローズは単植でも存在感のある鉢植えとして楽しめますが、栽培に慣れてきたらリーフプランツとのシンプルな寄せ植え 寄せ植えとは、複数の植物を1つの鉢やプランターにまとめて植えることです。花の色や形、高さのバランスを考えることで、美しいアレンジが楽しめます。同じ環境を好む植物同士を組み合わせるのがコツです。季節ごとに植え替えれば、年間を通じて楽しめる人気のスタイルです。
「株元の土も隠れますし、彩りもきれいです。そのほか、鉢選びにこだわったり、花色に合わせ好みの色にペイントしてみるなど、アレンジの方法はいろいろ。堅苦しく考えずに、草花感覚で気軽に楽しんでみてください」
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※この記事は『クリスマスローズの咲く庭づくり』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

「金久」スーパーバイヤー
神藤直行
大阪府泉佐野市の園芸店「金久」で花苗の仕入れなどを担当するスーパーバイヤー、通称「お兄さん」。植物全般の幅広い知識と販売経験をもつ。みずから全国のナーセリーまで直接足を運び仕入れているクリスマスローズの品ぞろえは圧巻。
大阪府泉佐野市の園芸店「金久」で花苗の仕入れなどを担当するスーパーバイヤー、通称「お兄さん」。植物全般の幅広い知識と販売経験をもつ。みずから全国のナーセリーまで直接足を運び仕入れているクリスマスローズの品ぞろえは圧巻。
