【おひとりさまの住まい相談】「夫がなくなり、戸建てから住み替えを迷っています」
長年住み慣れた愛着のある戸建てでも、夫が先に亡くなり、妻がおひとりさまになったとき、住み続けるかどうか迷うケースは少なくありません。住み替えるならおすすめは? ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに、考えるポイントを教わりましょう。
駅近のマンションに越して、将来の選択肢を増やす
ひとまず、戸建てを売却して、売却資金を活用して、分譲マンションに移ってはどうでしょうか。
戸建ては段差や階段があって転びやすかったり、手入れが必要な庭があったりして、高齢になるほど住むのが大変になりがちです。また駅から遠く、どこに行くのも車を使う場所だと、買い物もラクではありません。
その点、駅近で便利なマンションに移れば、買い物や友だちに会いに気軽に出かけやすく、防犯上も戸建てより安心。しかも、要介護になってひとりがつらくなったら、マンションは賃貸に出しやすく、家賃収入で施設の費用をまかなうこともできます。
今は「ずっと自宅で過ごしたい」と思っていても、体が不自由になると、気持ちが変わることもあります。介護度が上がると利用できる限度額は上がりますが、要介護度5でも日割りにするとヘルパーが来るのは1日2〜3時間程度で、それ以外の時間はずっと家でひとりで寝ていなくてはなりません。
実際、「いつも誰かが近くにいる施設の方がやはり安心」と施設に移るケースが多いのも確かです。
早い時期に住み替えを決断すれば、元気なうちはマンションで快適に過ごし、万一要介護になったら自宅か施設か、選択肢が広がります。
駅近のマンションなら、賃貸に出しやすい。築浅のマンションなら、管理費や修繕積立金の負担も減らせます。
亡くなる直前だけ、介護施設に入る方法も
看取り介護を行う老人ホームが増えるにつれて、亡くなる前の期間だけ、入居を受け付ける高級有料老人ホームも増加中です。自宅で介護を受けるより家族の負担が少なく、見舞いの家族も施設に泊まって最期まで付き添えるのがメリットです。
おひとりさまも、できる限り自宅で過ごして、最期は施設で介護を受けて、家族に見守られながら安心して逝きたいという人におすすめです。
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※この記事は『おひとりさまの大往生 お金としあわせを貯めるQ &A』畠中雅子著(主婦の友社)の内容をWeb掲載のために再編集しています。
おひとりさまの大往生 お金としあわせを貯めるQ&A
畠中雅子著
主婦の友社刊
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