「苦しいのは当たり前。すべては勝利を手にするため」吉田沙保里さんが心に秘めた3つの言葉とは?
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ゆうゆう編集部
とはいえ、人間誰しも調子のいい日もあれば悪い日もある。
「調子が悪いときは休む、でも休んだぶん次の日はしっかり頑張る、そんなふうに切り替えるようにしていました。毎日続けるのは大変なことですが、その先には目標があり、応援してくださる皆さんや一緒に夢を目指す仲間がいてくれる。だから頑張ることができました」
吉田さんがレスリングを始めたのは3歳のとき。自宅でレスリング道場を開いていた父・栄勝さんから指導を受けた。
「わが家は父が絶対的な存在で、とにかく厳しかった。子どもの頃はレスリングをやめたいと思ったことが何度もあります。母に相談すると『やめたかったらお父さんに言いなさい』と言われ、私は『……じゃあ、頑張る』。父が怖すぎて、やめたいと言うことができませんでした」
人は人、うちはうち。苦しいことから逃げず、自分でやると決めたら最後までちゃんとやりなさい。それが吉田家の教育方針だった。
「最初から最後まで手を抜かず、やるからには常に全力で頑張り切ること。そんな両親の教えがあったからこそ今の自分がある。父は厳しすぎましたけど、今となってはあれでよかったんだなと思っています」
「常に全力」
現役時代も今も「常に全力」がモットー。父の指導は厳しかったけれど、つらいから夢を諦めるという選択肢はいっさいありませんでした。金メダルを取れたのも、「自でやると決めたからには全力でやり続ける」という両親からの教えが身についた結果だと思います。