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【舞いあがれ!】ばんば(高畑淳子)がようやく五島に帰れたことが何より朗報となった、大団円の最終回

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田幸和歌子

舞ちゃんはどうなる⁉︎ わくわくしながら朝ドラを見るのが1日の始まりの習慣になっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!

福原遥がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』の最終週である第26週「私たちの翼」が放送された。

短歌を詠めなくなった貴司(赤楚衛二)を、八木(又吉直樹)の住むパリに送り出し、「なにわバードマン」の先輩・刈谷(高杉真宙)らの会社「ABIKILU」と業務提携して、電動小型飛行機「空飛ぶクルマ」の開発に挑む舞(福原)。貴司は印税による蓄えがあったのか、どのように生活費を捻出していたのか、それ以前に八木はどう生計を立てていたのか、実は御曹司だった説などもSNSで囁かれる中、世の中はコロナ禍に突入。

帰国できない貴司は、会えない孤独の中で自分の「言葉」を取り戻し、歌が詠めるように。家事や育児をむしろ舞よりも担当していたかに見えた貴司の回想の中に、長女・歩の姿はなく、舞しか登場しないこと、電話も舞から歩にかわることがないことに一抹の寂しさを感じたが、「ふつう」の良き夫・良き父親という型にハマることができないのが、「根無草(デラシネ)」なのだろう。

また、貴司との電話から、垂直で離着陸できるために滑走路の必要がなく、誰でも乗れて、島と島を行き来できる空飛ぶクルマのイメージがふくらむ舞。

父も母も子育てのために自分の時間を犠牲にすることなく、夢や目標に向き合えるのは、子どもを見てくれる親や祖母、十分な収入があるゆとりからだ。舞と貴司夫婦のあり方は、未来を描いているようでいて、日本がまだ経済的にも家族構成的にもゆとりがあった昔の豊かな時代を見るようでもある。

ともあれ、子どもを見てくれる人がいて、お金さえあれば、親が子ども最優先でなく、自分の好きなことをしている背中を見せているだけで、子どもは健やかに伸び伸び育つのだということを、2027年の歩(幼少期の舞を演じた浅田芭路)は感じさせてくれた。子どもは、容姿は親の幼少期に似ていても、性質は親の「完成形」の方に似るとしばしば思うのだが、歩は自分の気持ちがなかなか言えなかった幼少期の舞よりも、ずっと伸び伸びしていて、現在の舞によく似ている。

ところで、あらゆる登場人物の恋バナなどに尺をとりすぎたためか、重要な要素が多いのに、駆け足になり、説明不足になったところも多かったラスト1週。

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