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【舞いあがれ!】ばんば(高畑淳子)がようやく五島に帰れたことが何より朗報となった、大団円の最終回

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田幸和歌子

SNSで1週間を通して呟かれ続けていたのが、「空飛ぶクルマがヘリコプターにしか見えない」「空飛ぶクルマとヘリコプターの違いがわからない」というもの。実際、いくつかの記事を調べてみた中で最もわかりやすかったのは、「ビジネス+IT」(連載:デジタル産業構造論/執筆:JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ 小宮昌人氏)による解説で、同記事から引用させてもらうと、空飛ぶクルマのメリットは「電動・部品数が少ない」ために低コストになること、騒音の軽減、自律飛行・遠隔操縦など自動で将来的にパイロットレスになること(※これが舞たちの言う「誰でも乗れる」の意味のよう)、垂直離着陸のため滑走路を必要とせず、小スペースで乗り降りできるということのようだ。

制作サイドはせっかく取材もしているのだから、このあたりをもう少しドラマの中でわかりやすく言語化しても良かったのではないか。

また、「めぐみ(永作博美)から章(葵揚)への社長業の引き継ぎに6年もかかったのか」「めぐみは会長になっているから、もっと前に社長業は引き継いでいるはず」「祥子が車いす生活になってしまうまで、五島に戻ることはできなかったのか」「リハビリを全く受けさせていなかったのか」などの疑問の声は多い。

『舞いあがれ!』と同じく優しい世界に住む視聴者の方々は、それらの疑問を「描いていないだけで、リハビリは受けていたはず」と脳内補完したり、「空飛ぶクルマとヘリコプターの違いなんて自分でググれ」と擁護したりしてくれている。しかし、個人的には、佳晴(松尾諭)や「ノーサイド」のママ(たくませいこ)をはじめとして、かなりボリューム過多だった恋バナのほうをもっと圧縮し、好きな人たちに脳内補完してもらう方向にし、その分の尺をもっと未来へのワクワク感のある空飛ぶクルマのことや、舞にとっても視聴者にとっても重要な人物・祥子の介護やリハビリのことなどをもう少し丁寧に描くほうにあててほしかった気はする。

ともあれ、視聴者の心を揺さぶるシーンが最も多かった功労者・祥子ばんばが2027年でも健在で、ようやく五島に帰れたこと、なおかつ有人飛行の乗客第一号になるという大胆さを持ち合わせていることが何より朗報となった、大団円の最終回だった。

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