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ミッキー吉野さん思い出の一曲! 「昨年、ザ・ゴールデン・カップスのファンが集まり、この曲をカバーしました」

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ゆうゆう編集部

1976年にロックバンド「ゴダイゴ」を結成。「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「銀河鉄道999」など多数のヒット曲を手がけたミッキー吉野さんに、思い出の音楽を教えていただきました。昨年、ザ・ゴールデン・カップスのファンが集まり、カバーしたという、その一曲とは?

PROFILE
ミッキー吉野さん
みっきー・よしの●1951年、神奈川県出身。
キーボーディスト、アレンジャー、ソングライター。
68年、ザ・ゴールデン・カップスに加入。
アメリカ・バークリー音楽大学留学を経て、76年にゴダイゴを結成。
「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「銀河鉄道999」などヒット曲多数。
ゴダイゴ解散後も音楽学校創設、スタジオ活動など幅広く活躍。
2006年よりゴダイゴの活動も再開。
最新情報はhttps://www.mickieyoshino.com/にて

昨年、カップスファンが集まって この曲をカバーしました!

ザ・ゴールデン・カップスは、米軍基地がある横浜で1966年に誕生したバンドです。ベトナム戦争真っただ中だった当時は、米兵に向けた演奏が中心。テクニックを身につけて社会への反発などを表現したカップスは、横浜のヒーロー的存在だったし、僕も大ファンでした。そんなカップスに、幼い頃からピアノを習っていた僕がキーボード奏者として加入したのは16歳のときです。

ただ……。カップスは僕が加入する前年の67年にレコードデビューしましたが、その年に出したシングル曲「銀色のグラス」も次の「長い髪の少女」も、それまでとは路線が違う歌謡曲のような歌で。今ではいい曲だと思うけれど(笑)、当時は「どうしてこんな曲をやるのか?」と違和感を覚えました。それはバンドのメンバーも同じだったんじゃないかな。

当時は歌謡曲でなければメジャーデビューできなかったし、自分たちのオリジナル曲をやらせてもらえる時代ではなかった。でも、好きな音楽を自由にできないことへの反発が「銀色のグラス」に表れていたのだと思う。演奏がすごく熱かったんです。まるで歌に反発するかのように、ガァーッと弾いているのが印象に残りました。

そんな「銀色のグラス」を、昨年リリースした僕のアルバム『Keep On Kickin' It』でカバーしました。「ギタリストのChar(チャー)など、カップスファンだった人を集めてカップスの曲を演奏したい。ファンとして“ザ・ゴールデン・カップス”を表現してみたい」と思ったんです。それに若い頃は「自覚」とか「社会」とか、音楽を理屈で表現しようとしていたけれど、年を重ねるごとに喜怒哀楽を気持ちのままに表したいと思うようになって。

というわけで、このアルバムでは僕も含めてカップスファンが「銀色のグラス」を楽しくカバーしています。他にも、ゴダイゴの「ガンダーラ」など、手がけた音楽を収録しました。面白がって聴いていただけるとうれしいです。

ミッキー吉野 『Keep On Kickin' It』

ミッキー吉野古希記念セルフトリビュートアルバム。「銀色のグラス」はCharをボーカルに、ザ・ゴールデン・カップスのエディ藩がコーラス、ハマ・オカモトがベース、金子ノブアキがドラムを担当。他に自身が作曲した「君は薔薇より美しい」、新曲「NEVER GONE」など全10曲を収録。本アルバムは、台湾発のインディーミュージックの祭典の賞を受賞。

KOKI1213
Kisshouten 3300円

※この記事は「ゆうゆう」2023年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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