私らしく生きる 50代からの大人世代へ

人気記事ランキング 連載・特集

光石研さんが60代の今、思うこと。「若い人にこびることなく、若づくりもせず。我らは我らで楽しめばいい」

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

60代になって感じ始めた体の変化

高校卒業後に上京し、俳優の道へ。今でこそ映画にドラマに引っ張りだこだが、若い頃は食べるに困るような時代もあった。それでも諦めることなくキャリアを重ね、今年、俳優生活45周年を迎える。

「若い頃特有の『何とかなる』という変な自信があったのかもしれません。それに、やめる勇気もなかったんじゃないかな。役者以外のことをやったことがないから、他の仕事をする度胸もないし。わりとコンサバティブな男ですから(笑)。でも、そのおかげでいい出会いをたくさんいただきました。ちょっと時間はかかりましたけど、続けてきてよかったなと思っています」

61歳。まだまだ出演作は途切れることがなく、今、最も脂の乗っている俳優のひとりだ。とはいえ、60代になり、少しずつ体の変化も感じるようになったという。

「ちょっとしたアクションも怖いし、今まで動けていたものが動けなかったりするし、体の衰えは如実に感じます。そして常にどっか痛い(笑)。同世代が集まると、まず『体どう?』『病気は大丈夫?』。目の話から始まり、肩が痛いとか腰が痛いとかいう話になり、そのうち親の話になり、最後は墓の話(笑)。だいたいそういう話をずっとしています」
 
休日はソウルミュージックやR&Bなど、大好きな音楽を聴いてリラックス。イラストを描くという新たな楽しみも見つけた。

「僕らの世代のお楽しみって、みんなそれぞれ自由でいいんだと思います。若づくりすることもなく自分がしたい格好をすればいいし、食べたいものを食べればいいし、言いたいことを言えばいいし。若い人にこびを売る必要なんて全然なくて、我らは我らで楽しもうというスタンスでいいんじゃないかな。そのほうが健康的に生きられると思います」

PROFILE
光石 研
みついし・けん●1961年、福岡県生まれ。
高校在学中にオーディションを受け、78年、映画『博多っ子純情』で主演デビュー。
NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」、映画『あぜ道のダンディ』『アウトレイジ ビヨンド』など、数多くの話題作に出演。
近作に映画『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』『波紋』、ドラマ「弁護士ソドム」「だが、情熱はある」など。

INFORMATION

中年男が新たな一歩を踏み出すまでの希望の物語
映画『逃げきれた夢』

北九州の定時制高校で教頭を務める末永周平(光石研)はある日、元教え子の南(吉本実憂)が働く定食屋で支払いをせず立ち去ってしまう。記憶が薄れていく症状に見舞われ、これまでのように生きられなくなってしまったようだ。振り返れば、妻・彰子(坂井真紀)との仲は冷え切り、一人娘の由真(工藤遥)も父親には無関心。新たな「これから」に踏み出すため、「これまで」の人間関係を見つめ直そうとする周平だが……。

©2022『逃げきれた夢』フィルムパートナーズ

出演/光石 研、吉本実憂、工藤 遥、坂井真紀、松重 豊 他
監督・脚本/二ノ宮隆太郎

6月9日より新宿武蔵野館、シアター・イメージフォーラム 他 全国公開
配給/キノフィルムズ 
公式サイト https://www.nigekiretayume.jp

※この記事は「ゆうゆう」2023年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。


撮影/園田昭彦 スタイリング/下山さつき ヘア&メイク/大島千穂 取材・文/本木頼子

ゆうゆう2023年7月号

いくらあっても満足できないのがお金。物価の上昇が収まりそうにない今、「節約」は私たち皆にとっての一番の関心事になりました。とはいえ、何もかもケチケチしたくはないし、心まで貧しくなりたくはないもの。無駄な出費をせずにどれだけ暮らしを楽しめるか、そこは知恵と工夫、そしてセンスの見せどころ。『ゆうゆう』7月号特集「節約上手は暮らし上手」では、お金をかけずに暮らしを楽しむ方法を徹底取材しました。「センスのいい節約生活」、「おいしく使い切る食の知恵」、「ポイ活&シニア割活用術」、「リメイクのアイディア」など、参考になることがきっと見つかるはず。ないことを嘆くのではなく、あるもので楽しむこと考えましょう!

詳細はこちら
この記事の執筆者

PICK UP 編集部ピックアップ