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仕事の「なる早で」がNGの理由とは?小林弘幸先生が教えるコミュニケーション術

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雑誌「健康」編集部

ストレスの9割は、「人間関係」とそこで繰り広げられるコミュニケーションが要因と言われます。実は、コミュニケーションのカギになるのは「自律神経」。心と自律神経がととのって人生が幸せになる、そんなコミュニケーション術を知っているといいですね。会社や職場での話し方・伝え方を、自律神経の名医 小林弘幸先生に教えていただきます。

仕事の「なる早で」はNG。時間がなくてもゆったり依頼する

NG
×「これ急ぎでお願い!」

NICE
◎「急なお願いで心苦しいんだけど、この資料○時間でできないかな」

●バタバタの仕事は失敗を招きやすい
●相手の仕事の状況を考えながら、ストレスを軽減する言い方でお願いする

「悪いけどこれ急ぎでお願い!」。そんなふうに慌ただしく指示をすると、相手にパニックが伝染し、双方の自律神経を乱してしまいます。

おそらく、こんなときのあなたは表情も硬くこわばり、指示も丁寧な内容とはほど遠
いでしょう。交感神経が優位になり、視野が狭くなっている状態ともいえます。

指示を出した部下にはもちろん、チーム全体にもそのあせりが伝わってしまい、大勢の人の交感神経と副交感神経のバランスを乱しているといっても過言ではありません。

急ぎの案件ほど、ゆっくりと丁寧な言い方でお願いをすることを心がけましょう。

「ごめん、ほんとうに心苦しいのだけど、あと2時間ほどでこの資料を上げてもらうことは可能? むずかしかったらサポートを考えるので、ひとまず手をつけてもらっていい?」。そんなふうに具体的に、ゆっくりとした口調で伝えること。そうすれば相手は理解してとりかかってくれます。自分も、指示をされた相手も、そして周囲の人たちも結果的に自律神経のバランスが乱れずにすみます。

リモート会議は流れを読み、相手の状況を思いやりながら進行

NG
×「そろったので始めます」

NICE
◎「声と画面は大丈夫ですか。何かあればおっしゃってくださいね」

●在宅ワークの状況は人それぞれなので、それに合わせた心配りが大切
●リモートではよりゆっくり笑顔で話す

日本ではなかなか普及しなかったリモートワークですが、ごく当たり前に行われるようになりました。

数十年の常識が2〜3年で一気に変化したので、いろいろと齟齬は生じます。また新しいコミュニケーション方法に、いまだ戸惑っている人もたくさんいると思います。

オンライン会議一つとっても、今までは会議室に入れば席次で上下関係がわかり、顔や雰囲気で無言でも考えが伝わっていました。しかし、インターネットとカメラを介してとなると、なるべく気持ちが参加者に伝わるように配慮する必要があります。

PCの習熟度からネット回線状況、近くに家族がいるのかなど、参加者の状況は人それぞれです。会議を始めるときも、そっけなくスタートするよりも、各参加者の状況に沿った声かけをしてから始めれば、「自分の状況をわかってくれている」と安心して、円満に進近くに人がいないと気を抜いてしまいがちですが、なるべくカメラを正面から見すえて、自分も笑顔を絶やさないようにしてください。

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