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【大奥5話】超肉食系の綱吉(仲里依紗)と右衛門佐(山本耕史)に心が弾む。欲望渦巻く極彩色の世界へ

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田幸和歌子

大勢の男を集めてもらっているにもかかわらず、自身の側近・成貞(内田慈)の夫で、館林藩主時代に親密だった「阿久里」こと牧野邦久(吉沢悠)を呼び寄せ、大勢の男たちも、成貞さえもさがらせて、邦久との情事にふける。しかも、40歳を過ぎて邦久は父によく似た息子とともに大奥にあがらされ、まもなく「精を吸い尽くされて」命を落とし、成貞も気鬱で隠居する。最もそばにいる者の家族すらも平気でぶち壊す暴君なのだ。

その一方、綱吉は男だけでなく、学問も好き。そんな噂を聞き、不敵にも綱吉を釣り上げるべく、諸々の餌をまくのが、綱吉御台所の信平が京から呼び寄せた公家出身の右衛門佐(山本耕史)だ。

さらに、有功を慕い、ひたすら忠誠を誓っていた玉栄も、今では綱吉の父として大奥に君臨する桂昌院(竜雷太)となり、綱吉の側近で腹黒策士の柳沢吉保(倉科カナ)と関係を持つ、エロジジイになっていた。

家光×有功の優しく美しく悲しい愛の物語が幕を下ろし、次に幕が開いた途端、物語は突然、極彩色の欲望渦巻く世界へと激変する見事さ。家光の死去までを第4話で描くのではなく、第5話の中で時代を飛び越え、登場人物も物語の色味も一気に濃厚にビビッドになり、スピードも加速していく転換の見事さ、構成のセンスの良さには、ただただ唸らされるばかりだった。

※2023年2月10日に配信した記事を再編集しています。

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