森公美子さんが出会ったこの音楽「14歳の私に音楽への扉を開いてくれた、運命の一曲です」
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ゆうゆう編集部
小さな頃からアメリカンミュージックやジャズを聴いて育ったという森公美子さん。中学2年生のときに出会い、音楽の道へと導いてくれた一曲とは?
PROFILE
森公美子さん
もり・くみこ●1959年、宮城県生まれ。昭和音楽大学短期大学部卒業。
82年『修道女アンジェリカ』でオペラデビュー。85年の東宝ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』出演で注目を集める。
以降は定評ある歌唱力と魅力的なキャラクターで、オペラやミュージカル、コンサートの他、バラエティ番組やドラマなど幅広く活躍。
2015年には第40回菊田一夫演劇賞を受賞。
14歳の私に音楽への扉を開いてくれた、運命の一曲です
子どもの頃から父がレコードで流すアメリカンミュージックやジャズなどを聴いて育ち、プロテスタント系の中高一貫校では音楽教育の一環でハレルヤコーラスをやっていました。でも、それは当時の私にとって「やらなきゃいけないもの」くらいの気持ち。普段は60年代のグループサウンズから70年代のアイドルまで、歌謡曲ばかり歌っていました。
中学2年生のとき、家族でハワイ旅行へ。夕食後、両親はディナーショーへ、私と小学生の弟はホテルの部屋で留守番……のはずが、弟が熱を出してしまったんです。私は慌ててディナーショー会場へ行き、つたない英語で懸命に伝えて、何とか中へ通してもらいました。そして会場に入った瞬間、目の前にいたのがジャズシンガーのサラ・ヴォーンでした。
彼女が歌い始めたのが「ON A CLEAR DAY」。「ひえ~~、かっこいい!」、私は大きな衝撃を受けました。太ったおばさんがスイングしながら歌うさまが、びっくりするほどかっこよく見えたんです。結局、最後までずーっと立ち見で夢中になりました。私が「ジャズをやりたい」「真剣に歌をやろう」と思ったのはそのとき。あの日、音楽への扉を開いた、私の運命を変えた一曲です。
高校3年生のとき「ジャズをやる」と伝えると、母は「ちゃんとベーシックな音楽の勉強をしないとダメじゃないの?」。ベーシックな音楽=クラシックをやればジャズ歌手に近づけると思い、音楽短大の声楽科に進みました。クラシックを学び始めると、どんどんクラシックの魅力にハマって。でも、ジャズ歌手になりたいという思いが消えることはありませんでした。
そして去年、ついにジャズ歌手デビューを果たしました。「ON A CLEAR DAY」も歌っているんですよ。「低い声がちょっとサラ・ヴォーンに似ている」「その声がなかなかいいんじゃない?」なんておだてられて、その気になっています(笑)。63歳でようやく夢が開き始めました。
サラ・ヴォーン 「ON A CLEAR DAY」
ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドと並び、女性ジャズヴォーカリスト
御三家のひとりと称されたサラ・ヴォーン(1943年デビュー)。圧倒的な音域の広さと多彩な歌声で魅了した。
森公美子さん最新情報 『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』で主演
大ヒット映画『天使にラブソングを…』のミュージカル版。2014年の日本初演以来、客席を笑いと感動の渦に巻き込んだ人気作が五度目の上演。主人公のデロリス役は森さんと朝夏まなとさんのWキャスト。
※この記事は「ゆうゆう」2023年10月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
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