【ブギウギ】主人公を悩ませる「ダメ父」が、近年の朝ドラで幅を利かせる。梅吉(柳葉敏郎)はテルヲ(トータス松本)ほどではない
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田幸和歌子
2010年代以降は『ごちそうさん』の小姑・和枝(キムラ緑子)を筆頭として、朝ドラの長い歴史では、姑・小姑の嫁いびりが散々描かれてきた。
しかし、近年はむしろ主人公を苦しめる要因として「ダメ父」「クズ父」の方が幅を利かせている。
そんなクズ父の頂点として語られるのが『おちょやん』のテルヲ(トータス松本)だが、梅吉はその域には達していないものの、クズ化すると視聴者の一定層は盛り上がる。小夜のような極端なキャラが登場しても、やっぱり盛り上がる。
ドラマに繊細な心理描写やリアリティ、緻密な構成、クオリティを重要視しがちな昨今でも、「朝ドラ」はやっぱり特殊で、こうしたわかりやすいベタを求める人が多いことを改めて感じさせられる。
そんな中、難しいのは、第一話冒頭でスターとして登場したスズ子が、羽鳥(草彅剛)とのセッションの時点ですでに完成形ができたように見えたこと。その後、三尺四方に閉じ込められ、楽団が解散となり、自ら楽団を立ち上げ、おそらく今後戦争による大きな心の傷を負い、恋をし、未婚の母として出産して、いかに「ワテ」としての変化を見せるのか。
今後のスズ子の変化に注目していきたい。
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