日々の出来事を描く、トラベラーズノートのジャバラ。絵が苦手でも気軽に楽しめる
子どものころ、お気に入りの消しゴムやをえんぴつを、かわいい筆箱に入れて持っていたマチュア世代のみなさんも多いことでしょう。文字と文房具に並々ならぬ関心と愛情をもつ、文具ライターの小日向 京さんに、“何か描いてみたい”気持ちがむくむくと湧き上がってくる、トラベラーズノートについて語っていただきました。
★前回はこちら★
能率手帳GOLDの記入法。「“綺麗に書かない”くらいの心構えで、書く内容も充実してきます」
スマートフォンを持つ人が増えて、写真を撮る機会も多くなりました。
その写真は「いいな」と思ったものから「記念」「メモ」として写しておくものまで多岐に渡ります。
せっかくなので、その写真をノートに書き取ってみて、そこへコメントも添えてみてはどうだろうというのが今回の話題で、そんな用途にぴったりなのが「トラベラーズノート リフィル ジャバラ」です。
「トラベラーズノート」はデザインフィルによる製品で、2006年3月に生まれたシリーズです。
https://www.travelers-company.com/products/trnote/about
革カバーに好きなリフィルを選んで綴じられる製品群で、レギュラーサイズ(リフィル天地210mm×幅110mm)とパスポートサイズ(リフィル天地124mm×幅89mm)の2サイズがあり、こちらのリフィル ジャバラはレギュラーサイズです。(パスポートサイズのジャバラもあります)
https://www.tfa-onlineshop.com/SHOP/14469006.html
トラベラーズノート リフィル ジャバラは7面+6面=両面に13面の記述スペースがあります。用紙は無地で厚手です。
13面をページに見立てると、わずか13ページ。この「わずか」が1テーマをまとめるのにちょうどよく、「このジャバラはあの旅行の記録に1冊使おう」「語学勉強の今月のメモにしてみよう」と、テーマに合わせて設けられます。
何より、ジャバラは大きく考えると〝表と裏の2ページの紙〟でもあり、ジャバラを広げると記述を一目で俯瞰できるのが最大の利点です。そのためにも丈夫な厚手の紙は、繰り返し広げて見るのに向いています。
こちらは旅先での食べもの記録です。
写真を撮ればそれで済むものを、なぜ絵にしたりコメントを添えてみたりするのかというと、
①撮ったものの「どこがいいなと思ったのか」が見えてくる
②写真ならば何枚にもなりそうなものを、自己都合で主要なところだけをひとまとめにできる
③コメントを添えることで記憶がよみがえりやすくなる
という理由があります。
記述する時には、この連載の以前の記事【榛原の蛇腹便箋】
で話題にしたサクラクレパス ピグマのような顔料ミリペンで主要な輪郭を描き、色鉛筆で彩色します。
先に色鉛筆でおおよその形を塗ったあとで輪郭を描いても良いと思います。
線が曲がってしまうと「ダメだ、もうおしまいだ」と思ってしまいがちですが、上の絵の通り、一向に気にせず進めてしまうのも一案で、色を塗る時に描線の曲がりを矯正するようにコントラストをつければ、けっこう「それなり」のものになってくれます。
ここが、絵のおもしろいところです。
「絵は描けない」という人も、かつて子どもの頃には目の前のクレヨンや色鉛筆を手にして何かを描いていたはずです。