人気料理家が「ふたりの娘に受け継ぎたい」名品とは？藤井 恵さんが選び抜いた調理道具【3選】
自身の調理道具と、その道具を最大限生かしたレシピをまとめた著書が話題の、人気料理研究家の藤井 恵さん。これまで試した道具は数知れないという藤井さんが、独立したふたりの娘たちにも使ってほしい、受け継ぎたいと考えている名道具とは？その想いとともに伺いました。
▼持っている木べらは50本以上！▼
料理研究家・藤井 恵さんの調理道具を拝見！「いい道具」を選ぶコツは？
Profile
料理研究家・藤井 恵（ふじい・めぐみ）さん
●料理研究家、管理栄養士。
女子栄養大学在学中からテレビ番組のアシスタントを務める。出産を機に専業主婦になるが、雑誌での料理提案が評判を呼び、現在に至る。日々のおかずからお弁当、お菓子まで、作る人に寄り添う、わかりやすくておいしいレシピが人気。著書多数。近著に、『藤井 恵 選りすぐり道具とレシピ』（主婦の友社）など。
娘たちには何役にも使える、あの鍋たちを
藤井さんの長女は、就職・結婚のため、数年前に家を巣立った。しかし、嫁入り道具はまだお預けになってしまっているそう。
「というのも、以前より住んでいる狭い家に引き続き暮らしていて、まだ誰かから譲り受けた家電や道具をそのまま使っているからなんです。持たせてあげたいものはもう決まっていますが、もう少し広い家に暮らすようになってからかな」
それは、新著『藤井恵 選りすぐり道具とレシピ』（主婦の友社）でも自身の料理の相棒として紹介している、２つの鍋だ。
「この２つの鍋を持っておけば、最低限の道具で幅広い調理に対応できるからです」
海外赴任を終え、現在は実家で暮らす次女も、再び家を離れるときにはぜひ持たせたい。藤井さんが信頼を寄せる、２つの鍋を紹介する。
省スペース収納の、本格派。「クリステル」の鍋
一生ものの鍋として、愛用者が多い「クリステル」の「グラフィット深鍋」。藤井さん自身も、料理研究家として歩む前に“清水買い”したセットを、今でも大事に使っている。
「すぐれた調理力はもちろん、収納のストレスがないのが、『クリステル』の素晴らしいところです。ハンドルを取り外せば入れ子式に重ねられて、コンパクト。パスタをたっぷりの湯でゆでるのにちょうどいいのは、シリーズの中でも一番大きな直径24㎝ですが、入れ子にできますし、他のサイズも贈りたくなりますね」
ひと鍋で８役をこなす、無水鍋
もうひとつの鍋が、「HALムスイ」の「HAL万能無水鍋」だ。無水調理に加え、いためる、煮る、蒸す、焼く、揚げる、炊く、ゆでると、8つの調理がひと鍋でできる。
「ひとつの鍋でいろいろな調理ができるのは、とても便利。直径23㎝と26㎝、私もどちらも愛用していますが、無水調理や蒸し焼き、いためて煮たりなど、食材のおいしさを十分引き出せる鍋です」
技が光る一生ものの道具は大事に使って、娘たちへ
子育てがひと段落し、少しずつ時間と余裕が生まれてくると、昔ながらの和の道具に関心を持つようになった、藤井さん。
「美しい素材と伝統的な技を用いて、職人の手で作られたものなどを少しずつ集めています。これらは、一生ものの道具です。私の代だけでなく、娘たちの代にも受け継ぎたいので、大事にしています」
とはいえ、暮らしの中で使うからこそ道具のよさがわかる、というのが藤井さんの信条。しまい込むのではなく、ていねいに扱いながら使っているそう。
「私がいなくなっても受け継いでいってもらえるように、いいものは日々、教えておかないと、と思っています」
経年変化が美しい、銅のたらい
店に数年通って、ようやく手に入れたのが、京都「有次」の「金たらい 大」。
「野菜を水にさらすときなどに、毎日のように使っています。使い込むごとに、色の変化が美しい。長く使っていけるいいものを持てば、娘たちにも受け継いでいけると考えて、もうひとつ手に入れ、ふたつそろえました」
『藤井 恵 選りすぐり道具とレシピ』
人気料理研究家・藤井 恵さんが自身の調理道具を公開する、初の書籍を刊行。
無類の道具好きで、テレビ出演等でファンの間でも注目が集まる、藤井さんの道具。長年の料理経験を通じて厳選した「使いやすい調理道具」とそのよさを最大限に活かしたレシピを掲載。併せて、道具の選び方や料理のコツなどが盛り込まれ、同じ道具がなくても役立つ一冊に。
撮影／宮濱祐美子 取材・文／秋山香織
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