年金月5万円の節約生活が話題の【紫苑さん】ネットで1000円台で見つけた着物も!お金をかけずに楽しむ方法とは?
着物に憧れながらも、着付けが難しい、お金がかかる、ルールが厳しそう……と及び腰になっている人も多いのでは。先入観にとらわれず、自由に着物を楽しむ方々にお話を伺いました。今回はブロガーの紫苑さんです。
紫苑さんの節約DIY
「食費は月1万円」月5万円の年金でセンスよくやりくりする紫苑さん・72歳の節約&DIYライフ
お話を伺ったのは
紫苑さん ブロガー
しおん●1951年生まれ。地方新聞社勤務を経てフリーライターに。
おいしく健康的な月1万円レシピなど、お金をかけずに楽しむ節約生活のブログが人気。
著書に『72歳ひとり暮らし、「年金月5万」が教えてくれたお金との向き合いかた40』(マガジンハウス)など。
https://blog.goo.ne.jp/sionnann
一度くらい着物できれいに装って死にたい
年金月5万円の節約生活ブログが大反響を呼んでいる紫苑さん。69歳のとき、コロナ禍で仕事が減って年金生活になるまでは、フリーライターとして働きながら着物を楽しみ、ブログにも着物のことを綴っていた。
紫苑さんの着物との出合いはちょうど50歳のとき。
「実は20代の頃、着物に憧れてボーナスをはたいて買ったことがあるのですが、派手すぎたのと着る機会が少ないのとで、結局は箪笥の肥やしになってしまいました。それからしばらく着物のことは忘れていたのですが、50歳で乳がんになり、自分はこのまま仕事と子育てだけで終わるのだろうかと寂しくなったんですね。そこに友達から着物を着た写真の年賀状が届き、とても心引かれました。どうせなら、一度くらいきれいに装って死にたいと思ったんです」
ちょうどネットオークションがはやり始めた頃で、のぞいてみると1000円台から着物の出品があった。
「いいも悪いもわからないまま気に入ったものに入札して、買うことができたんです。部分的に汚れがあったり丈が足りないものもあったりしましたが、届いた着物を自分の体に当ててみるだけでとても嬉しかったのを覚えています」
その頃はまだ着付けもできなかったが、本を参考に見よう見まねでチャレンジを重ねた。何とか着られるようになって着物の集まりに顔を出すと、友達ができ、いろいろなことを教わったり、着物を安く譲ってもらったりして紫苑さんの着物の世界はどんどん広がっていく。
病気を克服するのと並行して着物にのめり込んでいった紫苑さん。一時期は自分の部屋に収まらず、息子さんの部屋まで着物が侵食していたそう。それらの着物も年金暮らしとなって住まいを移すときに断捨離した。
「気に入ったもの以外は頑張って処分しました。もともとオークションやリサイクルショップで手に入れることが多く、高いものはあまりなかったんですけどね。息子は、お金があって着物にうつつを抜かしていたときよりも、はたから見れば侘しい節約生活の中でほそぼそと着物を楽しんでいる今の私を見て、安心しているみたいです」