ネットオークションや手仕事で、お金をかけずに楽しむ着物スタイル

節約生活の中での着物の楽しみの一つが、手仕事だ。半襟や帯揚げはもちろん、帯まで手作りして楽しんでいる。

「カーテンやスカート、100円ショップの布など、布を見ると何でも帯に見えてしまう時期がありました（笑）。長さが足りなくても、見えないところに別の布地を足せば素敵な帯になります」

半襟はおしゃれの要と紫苑さん。トランペットや音符の刺しゅう入りは古着屋さんのバーゲンで見つけた新品。

帯を手作りして楽しむ

エスニック柄のスカートや100円ショップの手ぬぐいをリメイク。

こぎん刺しのクッションは高級感たっぷりの帯に。

着物での外出は節約生活の気分転換にも

着物の半襟をつけ替えると印象が変わることから、洋服のリメイクにも発想が及んだ。

「娘のお古の白シャツに刺しゅう入りの襟をつけてみたり……。着物にとって半襟がおしゃれの要であるように、洋服も襟を替えるだけで見違えます。顔まわりって本当に重要なんですね」

「ケチケチ」ではなく、「知的で創造的」な工夫にあふれているのが紫苑さんの節約生活だが、その原点は一枚の布をとことん大切にする着物文化にあったのかもしれない。

着物での外出は、節約生活のよい気分転換にもなっている。

「以前のように高いレストランには行けないけれど、ちょっとしたカフェでもテンションが上がります。着物を着ているだけで、店員さんに丁寧に扱ってもらえるのも嬉しいですしね。まさに心の栄養という感じです」

撮影／橋本 哲　取材・文／志村美史子

※この記事は「ゆうゆう」2025年1月号（主婦の友社）の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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