わきにペットボトルを挟むと鼻が通る!?【鼻やのどの粘膜】を鍛える方法を耳鼻咽喉科医が伝授[花粉症対策]
花粉の飛散状況が気になる季節。のど、鼻の粘膜を鍛えておくと、カゼやインフルエンザ、花粉症などの対策に役立つということを知っていますか? 書籍『肺炎・ウイルス感染症にならないのど・鼻の粘膜の整え方』の著者・耳鼻咽喉科専門医の浦長瀬昌宏先生に、だれでもできる粘膜強化法を教えてもらいましょう。5回に分けてお届けする第2回は、鼻呼吸のすすめ。
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今すぐできる【花粉症対策】鼻やのどの粘膜を加湿・加温する5つのケアとは?耳鼻咽喉科医が伝授「鼻呼吸」のすすめ
鼻呼吸には、さまざまなメリットがあります。
まず、空気が鼻のフィルターを通るので、ウイルスや細菌などの病原体、花粉やハウスダストなどのアレルゲンが体内に侵入しにくくなります。
また、空気が鼻で加湿・加温されると肺にやさしい空気になります。肺でガス交換しやすい空気を取り入れると、血液の酸素化(酸素が血液に取り込まれること)が楽になり心臓への負担も少なくなります。
そして鼻で呼吸すると、副交感神経が優位に働きます。気持ちが落ち着き、血圧も下がりやすくなります。
一方、口呼吸には多くのデメリットがあります。
口で呼吸をするとのどのリンパ組織が乾燥し、機能が弱くなってしまいます。するとのどの免疫機能が低下し、病原体に感染しやすくなるのです。また、口の中も乾燥するので、虫歯がふえ、口臭がひどくなりやすくなります。
以下、鼻呼吸をしやすくする具体的な方法を紹介していきましょう。
わきにものを挟む
横になるだけで、鼻の左右で通りが変わるのをご存じでしょうか。
体の左側を下にして左腕を床との間に挟んだ状態で横になると、1分くらいで右側の鼻が通ってきます。これは体の圧迫によって、圧迫した反対側の交感神経が刺激されるからです。
交感神経が刺激されると血管が収縮し、鼻の粘膜が収縮します。交感神経を刺激できるポイントがわきの下にあり、横になったときに体の重みでこのポイントが刺激されて鼻の粘膜が縮んだのです。
これを活用すると、横にならなくても一時的ではありますが鼻を通すことができます。
かためのものを片方のわきに挟み、わきから指3本くらい下を30秒間押しつけます。すると、挟んだ側と反対側の鼻のつまりが改善します。その位置を圧迫すると、挟んだ側と反対側の自律神経が刺激されるのです。挟むものとしては、500mℓのペットボトルがおすすめです。
両わきを同時に挟んでも両鼻が同時に通るわけではありません。必ず片方ずつ行いましょう。また、1分以内に効果は出ますが、効果は長続きしません。一時しのぎの方法と考えてください。