「スーパーのレジでノロノロ会計されて、イライラ…!」そんな人こそ読んで欲しい人気精神科医の神アドバイス
怒り・悲しみ・恐れ……自分の中に生まれた“負の感情”に、みなさんはどう対処していますか? SNSフォロワー数12万人の精神科医 藤野智哉さんが、ゆるっとした気持ちで負の感情とつき合える方法を紹介します。新刊『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』から抜粋してお届けする第5回は、イライラしている人へのメッセージ。
▼前回はこちら▼
「不機嫌にしていないのに…」その態度がフキハラ(不機嫌ハラスメント)認定される!?人気の精神科医のアドバイスとは?イライラは「タイパ」のせいではありません!
世の中にはいろんなバックグラウンドの人がいます。
それぞれの背景にある見えない物語を想像できるようになれば
イライラも減っていくはず
スーパーのレジでのノロノロ会計、店員さんの必要以上の説明などに、「時間がもったいない」「自分のペースが乱される」とイライラ。
そんな経験、ないでしょうか。
そして「タイパが悪い!」と怒ったりしていませんか。
「タイパ」とは「タイムパフォーマンス」の略で、費やした時間に対する成果や満足度のこと。短時間で高い満足感が得られれば「タイパがよい」、時間をかけたのに満足度が低ければ「タイパが悪い」といいます。
まず、これらのイライラはタイパのせいではありません。
人はすぐ安直な理由を探そうとするわけですが、何度もお話ししているとおり、怒りというのはとらえ方や自分のコンディション次第です。お金にも時間にも余裕があるときはイライラしないのに、焦っているときはついイライラしがちになりますよね。
結局、自分側の余裕の問題なんです。
それに、スーパーの会計が、店員さんが、というけれど、自分はすべてのことをスムーズにできているのでしょうか。
スーパーでは高齢の方が機械の使い方がわからずモタモタしているのを見かけることがよくありますが、自分だって初めてのときは戸惑うことがあるだろうし、人から「この人、ノロノロしているな」と思われているときもきっとあるはずです。
そういう視点やバックグラウンドを想像できる幅がなく、自分が十分に感情をコントロールできていないことを棚に上げ、何かのせいにしてしまっていないでしょうか。
ついイライラしてしまう気持ちはわかります。僕だって、役所とかでめちゃくちゃ時間がかかると、やっぱりちょっとイライラしちゃいますから。
僕自身、時間がもったいないなと思うタイプなので、早く進んでくれたらいいなとは思います。
でも面白いことに、海外に行ったりするとイライラしないんですよね。日本では店員さんにイライラするなんて人も、海外で店員さんが音楽を聴きがらゆっくりゆっくり会計していても怒らない。
それってやっぱり、旅行しているときは心に余裕があるし、相手に求める「こうあるべき」の期待値が違うからじゃないでしょうか。結局は自分の心のもちようだと思います。
また、海外では電車もバスも日本のように時間どおりには来ない。でも「この国はそういう国だ」と思うわけです。
そういう考え方がすごく大事で、同じように「この人はそういう人だ」という考え方ができるようになると人にもイライラしなくなります。
結局はどれだけ想像できるか、想像力の幅を広げられるか、です。