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「スーパーのレジでノロノロ会計されて、イライラ…!」そんな人こそ読んで欲しい人気精神科医の神アドバイス

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藤野智哉

物語をみんなが想像できるようになったら

想像力の幅を広げるためには、日々、「世の中にはいろんなバックグラウンドの人間がいる」ということをちゃんと意識しておくのが大事です。

たとば職場で、「あの人は一生懸命仕事をやっていない」とか、他人の働き方に文句を言う人がいます。でも、仕事はあくまでお金稼ぎの手段だと思って働ている人もいれば、仕事が生きがいだという人もいる。仕事を終えて家に帰ってから高齢の親の世話をしなきゃいけない人もいるし、ひとり暮らしですべてを会社に捧げている人もいる。

そういう物語をいくつ想像できるでしょうか。それは逆にいえば、相手のできない理由をいくつ考えてあげられるか、ということでもあります。

少し前に、日本のあるコンビニの張り紙が話題になりました。

外国人スタッフの接客に対してクレームが入ることがあるけれど、「海外からわざわざ日本に来て仕事をしている外国人スタッフは一生懸命頑張っています。まだ日本語が未熟で伝わりにくいこともあるけれど応援してあげてください」というような内容だったと思います。

僕はその張り紙を素晴らしいなと思いました。

目の前にいても、この人がわざわざ海外から働きに来ているという背景までは見えないけれど、この張り紙のように示してくれると想像できる人が増えますよね。

そういう物語をみんなが想像できるようになったらいいなと思います。

自分に子どもがいれば、子育てが大変な中で働くママの気持ちはわかるかもしれないけれど、親の介護で大変な人の気持ちはわからない。子どもがいなくてバリバリ働いている人は、子育て中のママがよく会社を休んだり急いで帰ったりするのが理解できない。

自分が経験していないことについて想像を巡らすのは大変なことかもしれません。知ろうと思わないと見えてこないし、相手と話をしたりしないと見えてこない。知らないことは見えないですからね。

だからこそ本来は対話をすることが必要になってくるわけです。

一方的に自分基準の「べき」を押しつけてイライラしたり怒ったりするのではな く、ちゃんと話を聞いてみると「ああ、それなら仕方ないよね」となること、けっこうあると思います。

<まとめ>
相手の背景をいくつ想像できるかは、
相手のできない理由をいくつ考えてあげられるかってことでもあります

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※この記事は『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』藤野智哉著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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