「不機嫌にしていないのに…」その態度がフキハラ(不機嫌ハラスメント)認定される!?人気の精神科医のアドバイスとは?
怒り・悲しみ・恐れ……自分の中に生まれた“負の感情”に、みなさんはどう対処していますか? SNSフォロワー数12万人の精神科医 藤野智哉さんが、ゆるっとした気持ちで負の感情とつき合える方法を紹介します。新刊『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』から抜粋してお届けする第4回は、「フキハラ」認定について。
▼前回はこちら▼
「メンタル的にしんどくなりにくいためには、どうしたらいい?」精神科医・藤野智哉さんのアドバイス不機嫌にしていないのに「フキハラ」に!?
自分では不機嫌にしているつもりがなくても、
相手が不機嫌と認識したら「フキハラ」になる可能性も。
不機嫌認定されたくないなら、努力も必要です
「機嫌がいい」の反対は「機嫌が悪い」、つまり「不機嫌」です。
最近では、不機嫌な態度や言動によって周囲に不快感や威圧感を与える「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」なんて言葉も出てきました。
パワハラ、セクハラ、そしてフキハラ......今や職場にはさまざまなハラスメントがあふれています。
部下に対して上司がいつも怒鳴り口調。
仕事中、何度もため息をついたり舌打ちをしたりする。
挨拶を返さなかったり、話しかけても無視したりする。
これらは場合によっては「フキハラ」認定がなされるでしょう。
相手が「ハラスメントだ」と認識したら、ハラスメントになっちゃう時代です。会社でハラスメントについての講習を受けた人もいるかもしれませんが、「相手がそう思っちゃったら、そうなんですよ」と言われます。定義は誰かが勝手に決めているだけで、結局は受け取った相手がどうとらえるか次第です。
自分では普通に接していたつもりでも、相手がどう受け取るかはわかりません。そして、相手の物事のとらえ方は相手の持ち分。コントロールしようがないんです。
「普段からテンション低めなんですけれど、不機嫌認定されてしまいますか?」この本を作るに当たり、そんな質問を受けました。
テンションが低いことで不機嫌認定されるかは相手次第。もし不機嫌だと思われたくないのであれば、そう思われないための努力が必要です。テンションを上げるようにするとか。そうすれば不機嫌認定はされづらくなるかもしれません。
ただ、努力をして取り繕ってテンションを上げ、そこまでして機嫌よく見られたいのかどうか。「フキハラ」と言われないために、そこまでやりたいかどうかだと思います。自己の加害性を自覚したうえでどこまで対策をするかは自分次第。どこまでやったところで何か言われることはある。
相手はどうせその人の見たいようにしか見ない。相手のとらえ方は変えられない、というのが精神科に染まった僕が大前提としている考え方です。