51歳で選んだ「約60平方メートルの平屋」80歳まで住むためにこだわった、たった1つの箇所とは?
人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介する「小さい暮らし」の見本帖。今回、登場いただくのは、人気ブロガーのRinさん。将来を見すえて小さなシンプルかつ平屋の家を建てました。前編では、平屋の様子をご紹介。
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Rinさん
ブロガー●1967年生まれ。介護支援専門員として長く介護に関わりながら人気ブログ「Rin のシンプルライフ」を運営。著書に『子育てが終わったら見直しどき 50代からの暮らしの整え方』(オーバーラップ)など。長女は独立し夫とふたり暮らし。
住まいは小さいほうがラク。51歳で住み替えを決意
「年を重ねるにつれて、注意力や記憶力は確実に落ちていくんですよね。暮らしを小さくすることで、見えるものにも頭の中にも〝余白〟をつくっておくことが大事だなって思うんです」
長年の介護職での経験や、住み替え体験を振り返ってそう語るRinさん。自身の〝小さい暮らし〟の出発点は、6年前の51歳のとき。それまで暮らしていた2LDK・広さ約80平方メートルのマンションを手放し、2DK・約60平方メートルの平屋の住まいを新築した。すでに長女は独立して夫婦ふたり暮らしになっていたことから、当初はコンパクトなマンションへの住み替えを考えた。
ところが、「周辺の地価がそれほど高くないせいか、売りに出ているのは広い物件ばかりで」とマンションは断念。一戸建てに目を向けてみたが、「中古だとますます広い物件しかなくて、理想だった平屋も皆無。そこで、土地を買って小さな平屋を建てるのもありかなと思うようになったんです」。
小さなマンションに小さな平屋と、Rinさんにとって〝小さい〟ことは必須条件。
「以前のマンションは娘の部屋もあって、使っていなくても掃除が必要。リビングの大きな革のソファはメンテナンスが手間だし、大きな窓がいくつもあるとカーテンの洗濯が手間。年をとったら、住まいは小さいほうがラクなんです」
新居は小さな平屋にすること、そして掃除やメンテナンスの負担が最小限の家にすること。それが住み替えのテーマになった。建物の耐久性に関わる屋根材や外壁の目地材はグレードの高いものを選び、内装や設備は〝標準仕様〟に。
「屋根さえ丈夫なら、他はボロボロでも何とか80歳までは住めるはず(笑)。あとは標準仕様にしておけば、修理が必要になっても部品の取り寄せに数カ月という事態を避けられます」