デビュー25周年【山内惠介さん】「君、歌手向いてないよ」と言われた過去。それでも変わらぬ歌への想いとは?
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ゆうゆう編集部
2025年にデビュー25周年を迎えた山内惠介さん。雑誌『ゆうゆう』も創刊25周年。ともに25周年というこのタイミングで、記念すべきコラボレーションが実現しました。今だからこそ話せる苦悩のとき、そして歌への変わらぬ想いとは……。3カ月連続掲載の第1回は、デビューからの軌跡を振り返ってもらいました。
プロフィール
山内惠介さん 歌手
やまうち・けいすけ●1983年福岡県生まれ。
17歳のときに「霧情」で歌手デビュー。
2020年には日本武道館にてデビュー20周年記念リサイタルを開催した。
NHK紅白歌合戦には15年の初登場から24年まで10年連続で出場。
24年には「紅の蝶」が日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。
25年にはデビュー25周年記念曲「北の断崖」を発売。
さらに椎名林檎とのコラボ曲「闇にご用心」も話題となっている。
時の流れの速さには本当に驚くばかりです
「まだまだ実感が湧かないんですよ。デビューしてから25年もやってきたなんて」
2年ぶりに『ゆうゆう』の表紙に登場してくれた演歌界の貴公子“惠ちゃん”こと山内惠介さん。実感が湧かないとはいえ、高校3年生でデビューして四半世紀、青春時代を演歌歌手として過ごしてきたからこそ、ふとした瞬間に時の流れの重みを感じることがあるという。
「たとえば先日もインタビュアーの方に『8年ぶりですね』と言われたんです。ついこの間会ったばかりだと思っていたのに、もうだいぶ前のことだった、みたいなことが多くなってますね。僕のマネージャーとは、もう18年も一緒に仕事をしてるんですけど、それに気づいたときもびっくりしました。時の流れの速さには本当に驚いてばかりです」
自身で実感するよりも先に、この節目を迎えて彼の心に最初に浮かんだのは、美空ひばりさんの姿だったという。
「子どもの頃に観た、ひばりさんの25周年を追ったドキュメンタリー映画がとても印象的で。帝国劇場や新宿コマ劇場での公演、そして全国ツアー……、あの素敵な姿がすごく心に残っているんです。今、自分が同じ25周年という時期にいると思ったときが、もっとも感慨深かったかもしれません」
デビュー当時に感じた現実の厳しさ
紅白歌合戦に10年連続で出場するなど、華やかな25周年を迎えたように見える山内惠介さん。だが、ここにいたる道のりは決して平坦なものではなかったという。
「実は最初の6年間は、本当に苦労の連続だったんです。上京して右も左もわからない状態でデビューして、少し調子に乗っちゃったりして……。でも、現実は厳しくて、だんだん仕事も減っていく寒い時代でしたね。当時はデビューしたことにすごく達成感を感じてしまっていて、デビューっていうのはやっとスタート地点に立っただけなのに、頂点だと勘違いしていたんでしょうね」
当時はまわりから厳しい言葉を浴びることも多かった。
「あの頃の演歌業界って、今よりもっと厳しい人がたくさんいたんですよ。あるディレクターの方には『君、歌手に向いてないよ』なんて面と向かって言われたこともありました。17歳の僕には衝撃でしたし、何でそんなこと言われなくちゃならないんだ、って悲しかったです。だけど、やっぱり歌が好きだったし、どうしても歌うことを諦めたくなかったんです」
