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【要約小説】名作のあらすじを読もう!

橋本五郎の『撞球室の七人』あらすじ紹介。密室で起きた殺人事件…人間の本質に迫る展開から目が離せない

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ゆうゆうtime編集部

橋本五郎の小説『撞球室の七人』(どうきゅうしつのしちにん)は、閉ざされた撞球室における密室殺人事件が描かれたミステリー作品です。七人の登場人物が交錯する中、犯人は果たして誰なのか、そして謎の凶器はどこに消えたのか。緊張感の中に人間の本質に迫るスリリングな物語が展開します。読後の余韻が鮮やかな一作です!

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密室殺人、殺されたのは黒子の男

物語は、ある撞球室(=ビリヤード場)を舞台に始まります。客たちはビリヤードに興じ、賑やかな空間に和やかな雰囲気が漂っていました。しかしその中、突如一人の男が殺害される事件が起こります。被害者は眉間に大きなほくろのある男で、短刀の一突きで命を絶たれていました。その場には「私」を含めて七人の人物がいたため、事件は完全な密室内での出来事と化します。

捜査が始まる七人の取り調べ

警察が駆け付けると、七人全員を同一空間に留めたまま、徹底的な取り調べが開始されます。彼らはそれぞれの経緯や状況を説明しますが、犯行を示唆する決定的な証拠は見つかりません。特に南洋から来たと思しき黒い肌の男には、怪しい背景があり、さらに過去には「投剣術」を行っていたと判明。彼が特に疑われることとなります。しかし、凶器である短刀の行方が掴めず、謎は深まるばかりです。

真相の鍵を握る存在…

密室空間で凶器が発見されないという不可解な事実を前に、一人の人物が「凶器が密室を出た可能性」を考え始めます。彼が注目したのは唯一室外に行った若い女性。この女性と南洋の男に関係があるのではないか、二人の間に何らかの意図的な共謀があった可能性があるでは?と考えるのです。果たして凶器はどのように隠されたのか、その結末には読者の想像を掻き立てる余韻が残ります。

謎の結末と未回収の問い

最後に、「私」と友人が事件現場の近くを訪れることになりますが、「私」はそこに凶器がある可能性を感じながらも真相を追及せず立ち去ります。現場に残された短刀を確認した友人の言葉を聞かぬふりをする「私」。そこに登場人物たちの複雑な感情や、社会の目を恐れる心理が表現されています。結局、事件の真相や凶器の隠ぺいに関する結論は明かされぬまま物語は幕を閉じますが、それがかえって読者を物語の中に留め続けます。

まとめ

『撞球室の七人』は、ミステリーの枠を超えた心理描写や社会性への視点が融合した橋本五郎の秀逸な小説です。密室での殺人事件を舞台に、人々の心の中に潜む「嘘」「怖れ」「共謀」など人間性の奥行きを探るような展開から、読者は最後まで目が離せません。凶器の行方を巡る緊張感、個々のキャラクターが浮き彫りにされる取り調べの描写、そして誰もが納得する明快な結末をあえて避けた余韻ある結末。ミステリー好きの方だけでなく、文学としても楽しめる作品です。読み終わった後も心のどこかで考えさせられる、そんな味わい深い一作です。

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※本記事の一部には自動生成による文章を含みますが、内容は編集者が確認・監修のうえで掲載しています。正確性には十分配慮していますが、最終的なご判断は公式情報等をご確認ください。

撞球室の七人

橋本五郎(著)
青空文庫(刊)
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