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58歳・人気ブロガー「老後に楽しみをとっておくなんてとんでもない!」それを教えてくれた悲しい実体験とは?

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ゆうゆう編集部

58歳・人気ブロガー「老後に楽しみをとっておくなんてとんでもない!」それを教えてくれた悲しい実体験とは?

『ビバ女の古』 1540円(税込)主婦の友社

大人気主婦ブロガー、カータンさんに、50代の今の思いとこれからについてインタビュー。今回が第3回目です。新刊『ビバ 女の古』(主婦の友社)の出版記念スペシャルトークイベントの様子も交えてお届けします。

夫への不満はマンホールに閉じ込めてきた。時々蓋を開けて「あのときは傷ついた」とガス抜きしています

―新刊は、第2章がまるまるカータンさんとご主人のエピソードになっています。夫婦でうまくやっていくコツはありますか?

カータンさん(以下、カータン) 夫とは毎日楽しく過ごしているけれど、ここまで来る過程ではやっぱりいろいろありました。今でこそ家事や育児に協力的ですが、長女の子育てをしているときはとくにつらかった!

子どものことは全部母親がやるべきだという態度を取られたり、納得いかないことを言われたり…。そんなときは、自分の心の中に深い穴を掘って、その中に悔しい気持ちを溜め込んできました。私はこれをマンホールと呼んでいます。

このマンホールの蓋を開けないようにしていること。それが夫婦円満でやってこられた秘訣かもしれません。今思い出しても腹が立つし、当時の自分を思うと、本にこのエピソードを描きながら涙が出そうになりました。

でも時々、蓋がグラグラして開きそうになることも。そんなときは我慢せず、正直な気持ちを夫に話すことにしています。

次女の子育てを経て夫も協力的になり、男性が家事や育児に参加する時代になってきたとはいえ、言わないと気持ちは伝わりません。「あのときは傷ついた」「悲しかった」と伝えることで、時々ガス抜きしています。

楽しみを将来にとっておくゆとりはナシ! 完璧じゃなくてもいいから今すぐやる

―カータンさんは現在58歳。これからの人生、どう過ごしていきたいと考えていますか?

カータン 今はまだ、老化は感じつつ体は動くし元気です。人生100年時代と言われていますが、健康でやりたいことをやれる期間は残りわずかかもしれません。楽しみを先にとっておくのではなくて、興味があることには今すぐ手を出そうと思っています。

そう思うようになったのは、姉が57歳で亡くなったことが大きいです。夫のお兄さんも48歳で亡くなっていて、「人生はいつ終わるか分からないんだ」と実感しました。友だちと「旅行に行きたいね」と話したり、毎年年賀状で「今年こそは会おう」と書いていても、「いつか」は来ないかもしれない。だから、行きたいなら行く! 会いたいならすぐ連絡する!

何かを始めるのも、完璧じゃなくたっていいんです。ちょっとかじるだけでもいいと思っています。元気なうちに少しでも動き出さなきゃ、どんどん億劫になってしまいます。

最近印象的だったのは、ある友だちのお母さんの話。お母さんは万博が大好きで、家族で世界中の万博に出かけるのが趣味。でもその友だちが今回の大阪万博にお母さんを誘ったら、暑いだの遠いだの混んでるだの、文句ばかり言って結局行くとは言わなかったそうです。

その友だちはまだ40代ですが、アラカンの私はお母さんの気持ちが痛いほど分かる。体力がついていかなくて、楽しめる自信がなくなったから、行かない理由をあれこれ探しているんですよね。万博が好きだからこそ、行くなら全部のパビリオンを回って楽しみつくしたい。昔はできていたのに、今はもうできない。それが分かっているからケチをつけるんだと思います。

私は1年に一度ハワイに行くことを生き甲斐にしているけれど、いつかはその距離以上にハワイが遠くなっちゃうんだろうなと思っています。だからこそ、元気で動ける今はどんどん行きたいところへ行き、したいことをしないともったいない。1年1年、決してムダにしないぞ!と思って過ごしています。

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ビバ 女の古

カータン(著)
主婦の友社(刊)
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カータンさん プロフィール
人気主婦ブロガー。2007年にブログ「あたし・主婦の頭の中」を開設。コミカルなイラストで日常をユーモアたっぷりに描き主婦層を中心に人気が大爆発。「Japan Blog Award 2008」総合グランプリ受賞、「livedoorブログ OF THE YEAR 2015」最優秀グランプリ受賞。以降殿堂入り。月間アクセス数は800万超、ブロガーとして確固たる地位を確立。主な著書に親の介護に体当たりに挑んだ『健康以下、介護未満 親のトリセツ』、『お母さんは認知症、お父さんは老人ホーム介護ど真ん中!親のトリセツ』(ともにKADOKAWA)など。

撮影/佐山裕子 取材・文/佐藤望美

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