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「高齢女性がターゲットにされやすい」本当の理由【50代からの防犯】警察や行政機関を名乗る電話がきたら?

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

高齢者を狙った詐欺犯罪、凶悪化する強盗、犯罪まがいの悪質商法。その被害を防ぐためには、年々進化する犯罪手口を知ることが不可欠です。防犯アドバイザーの京師美佳さんに2025年版の防犯対策を聞きました。

京師美佳さん
防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト

きょうし・みか●防犯設備士、錠前認定資格をもつ。
セキュリティ企業、防犯ガラスメーカーを経て2005年に独立、09年に一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事に就任。
生活者の視点での防犯対策が各メディアで人気。

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65歳以上の高齢者を狙った犯罪は増え続けている。「その背景にあるのは、犯罪手法の変化です」と京師美佳さんは言う。

「従来の犯罪は、計画を立てる人と実行する人は同じで、確実に大金を盗める家や店舗を狙い、極力バレないように実行していました。でも近年の犯罪は組織化され、計画する人は実行しません。実行部隊は闇バイト、つまりズブの素人。技術がないので指示されるままに暴力を振るって少額の金銭でも奪います。その場合、ターゲットに高齢女性はとても都合がいいのです」

住宅地は防犯カメラが少なく、狙われやすい傾向があるという。

「うちはお金もないし大丈夫、という根拠のない自信は通用しません」

CASE① 警察や行政機関を名乗る電話

最近増えているのが警察や税務署などの行政機関を名乗る電話です。特殊詐欺はもちろんのこと、資産の有無を探る「予兆電話」の可能性も。

こんな電話に注意!

□スマホに警察官を名乗る人物から電話があり、「あなたの銀行口座が資金洗浄に使われている」と言われ、ビデオ通話に誘導された。

□内閣府に委託されたと語る業者から電話があり、「老後2000万円問題についてアンケートを実施している」と資産状況を聞かれた。

資産の有無を探るためにかける「予兆電話」の可能性が高い

電話による犯罪といえば、孫や息子をかたって電話をかけてくる「オレオレ詐欺」をイメージするが、それだけではない。

「予兆電話、別名『アポ電』と呼ばれるものです。政府の調査や新聞社のアンケートなどと称して、資産状況や家族の有無を聞き出すのです。その情報をもとに空き巣や強盗、詐欺につなげるケースが多々あります」

特殊詐欺の近年のブームは、警察官をかたる詐欺だという。

「国際電話を使って警察の電話番号を表示させ、ビデオ通話に誘導して警官手帳や逮捕状を見せ信用させる手口です」

アポ電も特殊詐欺の電話も、もちろん対応する必要はない。

「相手が警察だろうが息子だろうが、電話でお金の話をされたらすべて詐欺。『折り返します』と言い電話を切る習慣を!」

犯罪に遭わないための心得

□電話をいったん切って確認
相手の名前と所属を聞いて電話を切り、言われた電話番号ではなく、自分で調べた警察署や会社の番号にかけ実在の人物か確認を。

□防犯機能つき電話機に替える
着信前に警告メッセージが流れ、通話内容が録音される電話機に替えよう。犯罪は入り口でシャットアウトすることが大事。

こんな対策もあります

Whoscall(フーズコール)
詐欺防止アプリをスマホに

知らない番号を識別し、企業名を通知してくれる。不審な着信やショートメッセージは即座にブロック。月額250円から利用できる。

▼あわせて読みたい▼

>>50代女性を狙う街角詐欺の手口とは? あなたを守る防犯アドバイス【詐欺被害防止マニュアル】 >>玄関から迫る詐欺を見抜く!50代女性が覚えておくべき9つの防犯テクニック【詐欺被害防止マニュアル】 >>オレオレ詐欺の最新手口!50代女性が必ず知っておくべき電話詐欺の実態【詐欺被害防止マニュアル】
監修者
京師美佳

防犯アドバイザー、犯罪予知アナリスト

元警察署長の父と刑事の姉をもつ防犯のサラブレッド。
2005年、京師美佳セキュア・アーキテクト設立。
2009年、 一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事就任。
セキュリティ全般の知識を生かして、建物の防犯診断、防犯プロデュースなど幅広く活動。Yahoo!ニュース公式コメンテーターや、テレビの情報番組やニュース番組など、メディアにも多数出演。
これまで受けた相談、診断は7000件以上。
講演、YouTube防犯チャンネル、TikTok防犯教室などでの啓蒙活動も行い、YouTube再生64万回、TikTok再生170万回の動画では、若年層からの視聴も多い大人気コンテンツとなっている。
『防犯アドバイザー 京師美佳の 安心生活をつくる自己防衛の心得35ヶ条』(Sweet Thick Omelet発行、2012年)など著書多数。

元警察署長の父と刑事の姉をもつ防犯のサラブレッド。
2005年、京師美佳セキュア・アーキテクト設立。
2009年、 一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事就任。
セキュリティ全般の知識を生かして、建物の防犯診断、防犯プロデュースなど幅広く活動。Yahoo!ニュース公式コメンテーターや、テレビの情報番組やニュース番組など、メディアにも多数出演。
これまで受けた相談、診断は7000件以上。
講演、YouTube防犯チャンネル、TikTok防犯教室などでの啓蒙活動も行い、YouTube再生64万回、TikTok再生170万回の動画では、若年層からの視聴も多い大人気コンテンツとなっている。
『防犯アドバイザー 京師美佳の 安心生活をつくる自己防衛の心得35ヶ条』(Sweet Thick Omelet発行、2012年)など著書多数。

取材・文/神 素子 イラスト/シライカズアキ

※この記事は「ゆうゆう」2025年10月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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