【笠原将弘さん直伝】鶏むね肉が驚くほどジューシー!鮮度の見極め方から 絶品「から揚げ」レシピまで
値頃感があって、低カロリー&高たんぱく。家計にも体にもやさしい鶏むね肉を、“ずるいほどに”おいしく食べるコツを大人気の和食料理人・笠原将弘さんに聞きました。レパートリーが豊富かつ、どのレシピもやわらかジューシーな仕上がりです。鶏むね肉の登場回数が一気に増えること間違いなし。今回は鶏むね肉の調理法と「鶏むねのから揚げ」レシピを紹介します。
笠原将弘さん 「賛否両論」店主
かさはら・まさひろ●1972年東京都生まれ。
高校卒業後「正月屋吉兆」で9年間修業したのち、父の死をきっかけに、東京・武蔵小山にある実家の焼き鳥店「とり将」を継ぐ。
2004年に「賛否両論」をオープン、予約のとれない人気店として話題に。
メディアでも幅広く活躍し、手がける料理本も人気。
プライベートでは長女、二女、長男との4人家族。
家計にやさしくアレンジ自在の万能食材
実家が焼き鳥店を営んでいたことから、幼少期より毎日のように鶏肉に親しんできた笠原将弘さん。
「淡泊でパサつくイメージがあるけれど、ポイントさえ押さえて料理すれば極上の一皿になります」と、そのポテンシャルを高く評価する。鶏むね肉の魅力は味わいだけではない。笠原さんは、「カロリーが低く、価格も家計にやさしい」点を利点として挙げる。さらに、焼き物、揚げ物、煮物、炒め物と調理法のバリエーションが豊富で、おいしいスープもとれる万能食材であると力説する。
今回は自身の3万を超えるレシピの中から、「どれも私の自信作ばかり」と語る、家庭で簡単に作れる鶏むね肉料理と調理のコツを厳選して紹介。多彩なレシピが日々の食卓を豊かにしてくれるはず。
鶏むね肉の特性をつかむ
鶏むね肉の扱い方や調理方法は、鶏肉の他の部位と比べほんの少しだけコツが必要。選び方、切り方、保存法など、よりおいしく味わう方法を知ることで、いつもの料理の幅がぐっと広がります。
①低カロリー・高たんぱく
鶏むね肉(若鶏・皮つき、可食部100g)は、カロリー133kcal、たんぱく質17.3g、脂質5.5g。鶏もも肉に比べて、たんぱく質量はほとんど変わらないのに、カロリーは約50kcalも低く、脂質は約8gも少ない。 さらに、豚肉や牛肉と比較するとカロリーや脂質が断然低い。肉全般にいえることですがカリウムも豊富です。
※「日本食品標準成分表2020版(八改)」参考
②色を見て選ぶ
きれいなピンク色をしていて、ぷっくりとしてハリがあるものがよいです。白っぽいものは鮮度が落ちている可能性があります。食品トレイの中にドリップ(肉汁)が出ていたら、肉の旨み成分が流れ出ている証拠。 鮮度が落ちているので避けましょう。
③旨みが強い
鶏むね肉は脂肪分が少なく、淡泊な味わいではありますが、鶏肉の中でも旨みが強い部位。鶏肉は旨み成分のイノシン酸をどの部位も含みますが、データでは、もも肉よりもむね肉のほうが多く含んでいるとのこと。この旨みを十分に引き出すテクニックが必要になってきます。
④足がはやい
鶏肉は肉の中でも水分を多く含みます。 雑菌などは水分が多いと繁殖しやすいので、水分量の多い肉はいたむのがはやくなります。鶏肉が豚肉や牛肉に比べていたみやすいのはこのため。消費期限内に使うのはもちろんですが、買ってきたら冷蔵室に入れる前に、キッチンペーパーなどで表面の水分をひとふきするとよりよいでしょう。
⑤多彩に使える
鶏むね肉は1枚のまま使うのはもちろんですが、調理法に合わせて切り方を変えればさまざまな料理に使うことができます。
