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【ガーデニング】注目の秋の花「ベラドンナリリー」とは?植えっぱなしでOK。育てやすさや魅力を徹底解説

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光武俊子

ベラドンナリリーとはいかにもエレガントなイメージの名前なのに、あまり聞いたことがありませんね。じつは、これこそ本物のアマリリス( Amaryllis)なのです。爽やかな香りで秋の訪れを告げてくれる魅力的な花について、詳しくご紹介しましょう。

秋の訪れが楽しみになる球根植物

植えっぱなしで秋に咲いてくれる球根植物は、魅力的なものがいろいろあります。ベラドンナリリーもそのひとつ。ヒガンバナ(リコリス)などと同じように、何もなかった地面からいきなり花茎(花梗)を伸ばして、優美な花を咲かせます。

まず花が姿を現わすために目立つだけでなく、ベラドンナリリーはよい香りを漂わせて秋の訪れを告げます。1茎に6~10輪もの花を順々に咲かせるので、長く花が楽しめるのも嬉しいところ。だから切り花でも人気です。

花後に出現する葉は冬も残って、庭の彩りになります。なので、冬も鉢植えには水やりが必要ですが、初夏には葉が枯れて夏は休眠するため、夏の水やりは必要ありません。これも嬉しいポイントですね。

温暖化で楽しみやすくなる花もある

ベラドンナリリーの原産地は南アフリカの喜望峰(ケープ地方)。近年、ビザールプランツ(珍奇植物)として人気を集める多肉植物などと同じケープバルブです。雨季以外は乾燥して日ざしの強い環境で育ってきたから、日本の高温多湿や冬の寒さは苦手です。

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日当たりのよい斜面に群生する

日本には明治初期に導入されましたが、半耐寒性の球根で冬は室内で管理しなくてはならないため、あまり普及しませんでした。ところが、近年の温暖化によって関東南部以西の暖地では冬越ししやすくなり、育てやすくなって注目されています。

寒冷地では鉢植えにして、冬は室内に取り込みますが、暖地では株の周囲をマルチングするような簡単な防寒で大丈夫! 庭に植える場合は日がよく当たり、土を盛り上げて水はけをよくした場所が適します。夏に球根植えつけますが、9月にはプロが栽培した芽出し苗が出回るので、すぐに花が楽しめておすすめです。

マルチングは、土の表面をワラやバーク(樹皮)チップ、プラスチックフィルムなどで覆うことです。乾燥防止、雑草抑制、土の流出防止、地温調節などの効果があります。

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植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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多肉植物とは、​乾燥地帯に適応するため、葉や茎、根に水分を貯蔵する組織をもつ植物の総称です。アロエ、エケベリアなどが代表的です。​ぷっくりとした独特の形状や多様な色彩が特徴で、室内外の観賞用として人気があります。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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原産地とは、植物がもともと自生していた地域のことで、その植物が最も自然に近い形で育つ環境条件(気温、降水量、土壌など)を知る手がかりになります。例えば、地中海沿岸原産のラベンダーは乾燥した日当たりのよい場所を好み、湿気には弱いといった具合に、原産地を知ることで栽培環境の調整や越冬管理の参考になります。園芸で植物の性格を理解するには、学名や品種だけでなく、この「原産地」への理解も大切です。

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冬越しとは、寒さに弱い植物を冬の寒さや霜から守って生き延びさせるための管理方法です。屋外に置いている鉢植えを室内に取り込んだり、花壇の土の表面にワラや落ち葉などを敷き詰めたりします。

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植物における「バルブ」とは、地中や地表にあって球根のように膨らんだ茎や葉の根元の部分を指します。チューリップやヒヤシンスのように、バルブは栄養を蓄える役割を持ち、次の生育期に備える植物の大切な構造です。ガーデニングでは、バルブを用いた花の植えつけが人気で、適切な保管や植えつけ時期が豊かな花を咲かせる鍵となります。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

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学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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休眠とは、植物が生長を一時的に停止して、寒さや乾燥などの不利な環境から身を守る生理状態のことを指します。球根や落葉樹などでは、冬の寒さに備えて活動を停止し、気温が上がると再び芽吹きます。休眠中の植物は水や肥料をそれほど必要としないため、過湿や過剰施肥を避けて管理することが大切です。休眠の有無や期間を知ることは、植え替えや剪定の適期を見極めるうえでも重要です。

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