夫・渡辺徹さんが亡くなって3年【榊原郁恵さん】が語る“60代からのしなやかな自立”とは?リフォーム計画も
夫の渡辺徹さんが亡くなって3年。お互いに独立した夫婦だと思っていたのに、「いなくなってみると、支えられていたんだなと感じます」と郁恵さん。ひとりになってから思ったこと、郁恵さん流の自立とは?
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プロフィール
榊原郁恵さん タレント・俳優・歌手
さかきばら・いくえ●1959年生まれ。
76年に「第1回ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリを獲得し、翌年デビュー。一躍アイドルとなり「夏のお嬢さん」などが大ヒット。
81年からはミュージカル『ピーター・パン』の初代ピーター・パンを務め、その後もテレビ、ラジオ、舞台などで幅広く活躍中。
2022年から3年間、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にマクゴナガル校長役で出演。
私に向いているのは「優しい自立」かな
「自立っていうテーマ、私に一番向いてないかも……」
開口一番、そんな言葉が郁恵さんの口から飛び出した。
「自立ってすごく意欲的なイメージじゃないですか。60代になっていろんなものから解放されて、『ひとりでどこでも行けます』、『おしゃれして海外へ行きました』、『新たな自分を発見』みたいな。素敵だと思うし、理想ですけど、そういう人を見ると置いてきぼりになった気がしちゃう……。なんでもひとりでできますという鉄のように強い自立はちょっと苦手」
でも、「柳のようなしなやかな自立」ならできると思う、と郁恵さん。
「たとえば何か問題が起きたとき、自分で解決できなければ人に頼ってもいいと思うんです」
2022年11月、夫である渡辺徹さんが敗血症のため61歳で亡くなった。その現実を受け入れられず激しく動揺していた郁恵さんは、「喪主をやってほしい」とすがる思いで長男で俳優の裕太さんに頼んだ。裕太さんの返事は「いいよ、わかった」。
「いつまでも子どもだと思っていた息子が、いつのまにか頼もしい存在になっていて……。スーッと楽になって、正直、『全部、甘えちゃいたい』という気持ちになりました」
周りに助けてくれる人がいる環境は本当にありがたい。
「でも、そのとき、べったり依存してはいけないとも思いました。感謝の気持ちと同時に自分の足で立つことを意識しないと人は精神的に死にます。体はあっても、中が空洞になってしまう。どんなときも自分をなくさないでいることもひとつの自立だと思うんです」
17歳でデビュー後、22歳でミュージカル『ピーター・パン』の主役をはるなど、若いときから「自分」を持って主体的に仕事に関わってきた郁恵さん。
「自立って自分勝手とは違うんです。『自分が自分が』って前に出すぎると協力してもらえない。周りとの協力や共存は絶対に必要です。相手の意見も受け入れてコミュニケーションを取りながら、最終的にどれがいい? となったときに意見をちゃんと言える、そういう人が自立していて魅力的だと思います」
