「小学生にもおすすめ」!?ミュージカル界隈をザワつかせるバカみたいに楽しい舞台とは?【福田雄一×中川晃教】
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田中希
映画に舞台、日本のコメディ作品に新風を吹き込んできた福田雄一監督と、日本のミュージカル界で鮮烈な輝きを放ち続ける中川晃教がタッグを組んだミュージカル『サムシング・ロッテン!』が7年ぶりに再演されます。ミュージカルファンはもちろん、「小学生でも観られる」!?という今回の舞台の魅力をお二方にたっぷり語ってもらいました。
あまりにばかばかしくて本当にブロードウェイ発!?と思う、そんな作品
――ミュージカル『サムシング・ロッテン』とはどういうお話か、その魅力や見どころについて教えてもらえますか?
中川晃教さん(以下中川さん):「僕は主人公のニックを演じさせていただきます。幕が開いた途端に中世のセットですし、これってどういう話なの?、どういう世界なの?っていろんな「?」が湧きながらも、物語はどんどん進んでいくんですね。簡単に言うと“劇団員たちが必死にヒット作を作ろうとする”お話なのですが、劇中ではミュージカルを見たことがある方々にはおなじみのミュージカルナンバー、ヒットナンバー、セリフがたくさん出てきます。“あ、これあの作品の〇〇だな!”ってピンとくる人もいるでしょう。ミュージカルを見慣れたお客様たちにとっては、“これを私達が観なくて誰が観る!?”って思える演目ですし、一方で福田さんが演出してくださることで、福田作品を観たいというお客様にも届けられる、ミュージカルファンでなくとも門戸を開いてるわけですよね。そういう意味で全方位、どなたが見ても“もう!何これ!”って驚いて笑って見てもらえる楽しいミュージカルだと思います」
福田雄一さん(以下福田さん):「僕が演出することになったきっかけは、全然関係のないプロデューサーや仕事の仲間たちからほぼ同時に演出したらって勧められたんですよ。実はブロードウェイでは未見だったので、“なんで俺がやるべきなのかな?どんな話?”って聞いたら、“売れない劇団の座長が、今後ミュージカルが流行るぞって予言者に言われて、ちょっと間抜けだったから次流行るものはハムレットと間違えてオムレットだって伝えちゃう。すると座長が必死になってオムレツに関するミュージカルを作る話ですよ”って言うんですよ。そのときに、“よくそんなおバカな話がブロードウェイで成立したね!”っておかしくて(笑)。“ひたすらオムレットっていうオムレツのミュージカルを頑張って作るんですよ”なんて言うもんだから、あまりにもバカバカしくて。ミュージカルなのにめちゃくちゃ敷居が低くて、そこがすごくいいなと思ったんです」
――福田さんにとって中川さんはミュージカル俳優としてどのような存在ですか?
福田さん:「僕はアッキーファン歴は長くて、アッキーが主演を務めたミュージカル『モーツァルト!』のCDから入ってるんですよ。(2002年に中川さんがミュージカル『モーツァルト!』の日本初演で主役を務める)車乗るときは絶対このC Dを聴いていた時期があったくらい(笑)。ダブルキャストで演じた井上芳雄くんも素晴らしいですけど、芳雄くんが言ってましたよ。アッキーの歌声聞いたら、冷や汗しか出なかったって」
中川さん:「そんな! コツコツとやっております(笑)」
福田さん:「僕案外知られてないんですけど、『勇者ヨシヒコ』の第1弾ドラマの6話で、山田孝之くんと中村静香ちゃんのミュージカルシーンがあるんですよ。そこで歌ってる曲が、あのモーツァルトのパロディだったりもします(笑)」
中川さん:「まさかそのアイデアの源になってたとは初耳でした!当時まだテレビドラマでミュージカルなんて…」
福田さん:「なかったよね」
中川さん:「僕は2001年にデビューしましたけど、まだ当時はちょっと敷居が高いというか……」
