【鬼の霍乱(かくらん)】の本来の意味、知ってる?「鬼」は何のたとえ?【クイズ】
【鬼の霍乱(かくらん)】の正しい意味は【イ】
もともとの意味はイ。
ここでの「鬼」は頑強で元気な人のたとえです。「霍乱」は「病気の苦しみから手を振り回してもがく」という意味の「揮霍撩乱(きかくりょうらん)」を略した言葉。つまり「ふだん元気な人が病気になって寝込むこと」という意味になります。
「霍乱」は中国医学の古典に出てくる症状の名前でもあり、現代の医学に照らし合わせると、軽度なものは熱中症や食あたり、重度であればチフスやコレラの症状も含んでいたと考えられます。日本で使われる場合は熱中症や急性腸炎を指すことが多く、夏の季語でもあります。
しかし、鬼のイメージのまま「怖い人」のことだととらえたうえ、「霍乱」を「場をかき乱す」という意味の「攪乱」や「意識が混乱する」という意味の「錯乱」と勘違いしている場合があるようです。このような混同からただ単に「珍しいこと」という解釈が生まれ、「(ふだん怖い人が)珍しい態度をとること」のように使われる場合がありますが、本来の使い方ではありません。
この「鬼」は「元気な人」のたとえですが、相手にいやな感じを与えることもあり、からかうようなニュアンスもあるため、使い方には注意が必要です。
用例
○ 毎年皆勤賞の彼が休むなんて、鬼の霍乱だね。
○ 健康には自信があったのに入院することになるなんて、まさに鬼の霍乱だ。
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※この記事は『間違いやすいことばの意味探し辞典』(三省堂)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
