知ってる?【佳境】の本来の意味は「山場」?「おもしろい場面」?【クイズ】
【佳境】の正しい意味は【イ】
もともとの意味はイ。
「佳境に入る」「佳境を迎える」という形で使われることが多く、物語や演劇などがもっともひきつけられる、面白い場面に差しかかることを指します。「佳」は「よい」「すばらしい」、「境」は「さかい目」という意味を表しています。
中国の逸話集『世説新語』の一節が由来とされます。中国の画家がサトウキビを先のほうから食べている理由をたずねられ、「ようやく佳境に至る(少しずつおいしいところに進んでいくのだ)」と答えたといいます。あまりおいしくない部分から食べはじめ、少しずつ食べ進めて、ようやくおいしいところに到達するのが「佳境に入る」ということです。「見どころ」「興味深い」のようなプラスの要素を持つ言葉のため、事件の捜査や裁判、救助活動などに使うと、不幸なできごとをおもしろがっているととらえられるおそれがある言葉です。
近年、おもしろい場面という意味が転じて、ものごとの最盛期を表す言葉として使う人が増えています。しかし、「佳境」自体に忙しさを表す意味はないため、「忙しさがピークを迎える」という意味で使うのは本来の使い方ではありません。
用例
○ 長編ファンタジーも佳境を迎える。
○ 最終章でゲームは佳境に入った。
▼あわせて読みたい▼
>>【気が引ける】の正しい意味、知ってる? 間違って使うと恥ずかしい日本語【クイズ】 >>6割の人が間違っている!?【浮き足立つ】の本当の意味とは?【クイズ】 >>あなたも間違って使っているかも!? 【潮時】が指している時期とは?【クイズ】
間違いやすいことばの意味探し辞典
三省堂編修所 編/三省堂
「雨模様」って、雨が降ったりやんだりしているようす? 雨が降りそうなようす?
「気が置けない」って、気配りをしなくてよい間柄? 気配りをしなくてはならない間柄?「やおら」って、急に? ゆっくり?
勘違いしやすい言葉、間違いやすい意味を、語源や世論調査の結果をもとにわかりやすく解説。勘違いしやすい理由や使う際の注意点などにも触れ、言葉の意味に自信のない人必携の一冊。
※詳細は下記のボタンより
※この記事は『間違いやすいことばの意味探し辞典』(三省堂)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
