【ガーデニングQ&A】リキュウバイが芽吹かず、枯れてしまいました。正しい剪定方法は?
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園芸ガイド編集部
植物を育てていくうえで、わからないことや悩んでいることはありませんか? ここでは、読者の皆さんから寄せられたガーデニングにまつわる疑問や質問、お困りごとに、園芸研究家の船越亮二さんが回答します。今回のテーマは「リキュウバイ」です。
Q リキュウバイの正しい管理方法が知りたい
5年間育てていたリキュウバイが、剪定方法が悪かったのか、芽吹かず、枯れてしまいました。何が悪かったのかわかりません。正しい剪定方法や管理方法を教えてください。(神奈川県藤沢市 53才)
A 湿度を一定に保てる場所で栽培するのが最適。早春~春に剪定し、枝を切った株には追肥を忘れずに
リキュウバイは、バラ科エクソコルダ(ヤナギザクラ)属と舌をかみそうな属
名のグループで、中国と周辺に数種の原種が見られます。落葉広葉樹で、樹高3〜4mの低木〜大低木です。開花期は5月上旬~6月上旬で白い花を咲かせます。日本では、切り花用としてエクソコルダ・ラケモサが栽培されています。
本種はマルバヤナギザクラ、リキュウウツギ、リキュウバイ(利休梅)などいくつかの呼び名がありますが、最もよく呼ばれているのがリキュウバイです。江戸時代の茶人・千利休がこよなく愛した茶花に由来しているとの説もありますが、千利休が存命の時代にはこの植物はわが国には入ってきていなかったのではないかとの見方も強いといわれています。千利休の時代に入ってきていたら、千利休も茶花としておおいに喜んだことと思われます。
いつの時代でも同じことですが、後発で市場に入っていくには、人々にいかにアピールできるネーミングであるかが、大きな課題になってきます。ですので、本種のリキュウバイは的を射た命名といえるでしょう。
サクラやモモ、ニワウメ、ロウバイ、マンサク、サンシュユなど春の促成物の花市場への出荷は11月に始まり、3月に入ると終わりになります。5月に自然開花するリキュウバイは促成物でも、春物が終わるころの出荷となるメリットがあるので、庭木というよりは、むしろ促成の枝物として苗が育てられています。
普段の管理としては、特に気をつけなくてはならないということはありませんが、強い日差しの当たる環境よりも、半日陰~日当たりのよいくらいの場所が適しています。強い西日が続くような場所は避け、保湿性のあるところがよいでしょう。剪定は基本的には早春から春に行いますが、このときに促成物に使う枝には目印をつけておき、適期に元から切って使うようにし、枝を切った株には必ず追肥を施し新梢の発生を促しましょう。
リキュウバイの栽培カレンダー 暖地(関東南部以西太平洋側)
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