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元自衛官「仕事中におかしくなりそのまま病院→休職」豆腐メンタルを鋼の心に育てる意外なルーティンの正体

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わび

一度折れた心は、もう強くなれない——そう思っていませんか。元幹部自衛官のわびさんは、自衛官時代にメンタルダウンを経験した当事者。そこから立て直し、いつしか「鋼メンタル」と呼ばれるまでに。心の強度を育てるために、日々欠かさず続けている習慣とは? 話題の新刊『元幹部自衛官が教える メンタルが壊れない23の習慣』(朝日新聞出版刊)から、第1回は、わびさんがルーティンにたどりついた経緯をご紹介します。

地獄の出口で見つけたメンタルの整え方

現在、私はとある外資系企業でリスクマネジメントの仕事をしています。

リスクマネジメントの仕事と言っても、あまりイメージが湧かないかもしれません。ざっくり言うと、会社全体のリスクを予測して、いざというときに被害を最小限に抑えるための仕組み作りになります。

この仕事は、すべての部署と協力しながら進めていく必要があり、ほぼ毎日のように打ち合わせをしています。また、定期的に会社の偉い人たちに報告をしなければなりません。しかも、会社で何か危機的なことがあったら、夜中であっても、休日であっても、すぐに呼ばれる立場です。それでいて、直接的には利益を生まないので、人によっては煙たい存在になります。

ですので、毎日メンタルはすり減るし、ストレスも溜まる仕事だと思います。私よりも前にこの仕事を担当していた方々が、2年も経たないうちに転職または異動していることを考えると、メンタル的にかなり過酷な仕事と言えるでしょう。

でも、私はこの仕事を長年続けていますが、わりと平気に過ごせています。一時的には凹(へこ)んだり、イラッとしたりすることもありますが、ほとんどの場合は次の日には「いつもの自分」に戻っています。

「どうせ、もともとメンタルが強いんでしょ……」と思うかもしれません。今の会社でも、上司や同僚からは「鋼のメンタル」と言われています。

でも、実際は全くそんなことはありません。もともとのメンタルの強度は、たぶん豆腐レベルです。しかも、ふわっふわの絹ごしです。

というのも、私は過去にメンタルを病んで、いわゆる「普通の生活」から遠のいていたことがあるからです。

私は30代半ばまで自衛官でした。

「自衛官」というと、世間の方々は強靭(きょうじん)な肉体と精神を持っているとイメージするでしょう。確かに規律正しい生活を送り、厳しい訓練を受けているので、そのイメージは間違っていないと思います。

私も「二度と来るめえ、鬼川原」と恐れられる、前川原駐屯地陸上自衛隊幹部候補生学校を経て、精強として名高い第8師団で長らく勤務していたので、世間の方々がイメージする自衛官だったと思います。

でも、周りを取り巻く環境が変わってしまうと、私のメンタルは脆(もろ)くも崩れてしまいました。

メンタルを病んだ直接的な原因は、異動先の上司からの理不尽なパワハラでした。ここでは多くは語りませんが、地獄のような毎日でした(詳しくは拙著『この世を生き抜く最強の技術』に書いています)。

それまでの経験で残業や厳しい指導には慣れていましたが、毎日繰り返される自分の人格や家族までも否定するような言動に、メンタルの回復が追い付かなかったのでしょう。

仕事中におかしくなり、そのまま病院へ運ばれ、休職となりました。

過酷な残業とパワハラで受けた心身のダメージも大きかったのですが、さらに辛(つら)かったのは普通の生活ができるようになるまでに長い年月を費やしたことです。

当時はいつまで続くかわからない、まさに無間地獄でした。この何もできなかった期間に失ったものは計り知れません。

もう二度とあの地獄を見たくないという思いから、いろんなことを見直しました。価値観や考え方、環境、働き方、人付き合いなど……。これらを見直したからこそ、多少のことでは凹みっぱなしにならないメンタルが仕上がったのだと思います。この本のテーマである「ルーティン」もそのひとつです。

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