【ジュディ・オング】母に教わった「悔いのない人生を送る」コツ、それは「第二の矢に打たれない」こと
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依田邦代
今年、歌手生活60周年を迎えるジュディ・オングさん。10月には5000人規模の記念コンサートが予定されています。60年という長きに渡り、芸能界の荒波を乗り越えてきた、その強靭な精神力はどこから来るのでしょう? その秘密は、幼いころからの母の教えにもあったといいます。
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ジュディ・オング●歌手・女優・木版画家
台湾生まれ。3歳で来日し、11歳のとき日米合作映画『大津波』で俳優デビュー。歌手デビューは16歳。1979年に「魅せられて」の200万枚大ヒットで、日本レコード大賞他を多数受賞。
25歳で始めた木版画はプロフェッショナルとなり、2005年に日展特選受賞。23年に台南市美術館にて木版画展開催。24年に台北新光三越にて建築家である兄・翁祖模(マーク・オング)と初の兄妹展「藝境畫篇O2」開催。
47年ぶりに出演した台湾映画『陽光女子合唱團』の歴代興行収入が台湾映画史上第1位となり、最優秀女優賞にノミネートされた。
現在、開発途上国の子どもたちを支援するワールドビジョン・ジャパンの親善大使の他、ポリオ根絶大使、介助犬サポート大使を務める。
「第二の矢」に打たれた人は時間をムダにする、体をこわす
「そりゃ、私だって落ち込むこともありますよ。でも、引きずらないですね。あっという間に立ち直っちゃう。もったいないじゃないですか、時間が。人生には限りがあるんですから。落ち込んでいる時間はなるべく短い方がいいですよ」
そのような超前向き思考に至った裏には、母がよく使っていた言葉があるという。
「母は『ソワソワキ』という台湾語をよく使っていました。『払ってしまえ』というような意味です。落ち込んでいても、『まぁいいや』と気持ちを切り替えて『あら空は青かったわ』と上を向いても1日は同じ24時間。あなたならどっちがいいの?と言われて育ちました」
「失敗」は勉強であって、人生のプラスになる。大自然はそれなりの失敗をさせて人を成長させるのだから、失敗をこわがって挑戦しないのはもったいない、というのが母の考えだった。
「目いっぱい生きて『楽しかった』と人生の幕を閉じたいじゃないですか。そのためには、後悔の時間は短い方がいい」
「ソワソワキ」と並んで、もうひとつ今もジュディさんの心にしっかりと刻まれている母の言葉がある。それは「第二の矢に打たれない」。
「『第一の矢』はショックな出来事や失敗したこと。『第二の矢』は『何でこうなっちゃったんだろう』とそれを悔やむ時間のこと。たとえば、お客様が来るからと大事な花瓶を出したら落として割ってしまった。『なんでこんなに早く出したんだろう』『お母さんが出してって言ったから……』と後悔しているうちに時間はどんどん過ぎていきます。では、どうするかというと、壊れた花瓶はさっさと片付けて、別の器を置けばいい。悩んでいても仕方ないので、次に行くんです」
つまり、悩む時間は「第二の矢」に打たれている時間。「第二の矢に打たれると青春がなくなる」とも言われるそうだ。
「ムダに時間が過ぎるし、体をこわすこともあります。悩んだり、怒ったり、泣いているときってごはんを食べてもおいしくないし、おなかをこわしたりしますよね。ストレスが体に悪影響を与えるということなんでしょう」
「第二の矢」という言葉。それを知っているのと知らないのでは人生は違ってくる。
「それが自分に何をもたらすかを知ると、決してプラスじゃないことがわかります。『第一の矢』は避けようがなくても、『第二の矢』は自分の意思で避けることができるんです」
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