【石黒賢さん】「みんなで行くぞ!」っていう現場の感じがたまらなく好き。僕が体育会気質だからかな…舞台『ハムレット』5月9日開幕
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恩田貴子
5月9日に開幕する舞台『ハムレット』に出演する石黒賢さん。俳優として長くキャリアを重さねるなか、初出演となる“シェイクスピア作品”に挑む思いとは? 3回にわたってお届けします。
▼前回記事はこちら▼
>>【石黒賢さん】キャリア40年を超え、あえてシェイクスピア作品に挑む理由とは?過去の自分をなぞるのは嫌なんです
目じりにやわらかなシワを寄せ、笑みを浮かべる石黒賢さん。その視線の先には、5月に開幕する舞台『ハムレット』で共演する若い俳優たちの姿がある。40年以上のキャリアを持ちながら、石黒さんのたたずまいに先輩風を吹かせるような威圧感はどこにもない。
「俳優という仕事に、キャリアや年齢は関係ないと思っています。何十年やっているベテランだろうと、今日デビューした新人だろうと、舞台の上に立てば皆同じですから」
若手を対等な仲間として尊重するからこそ、彼自身も「ベテラン」という鎧を潔く脱ぎ捨てる。
「長く続けていると、どうしても型が決まってしまったり、過去のやり方を踏襲しようとしてしまうんですよね。でも僕は、過去の自分の芝居をなぞるのは大嫌いだし、それはよくないことだと思っています。だからどんな作品に向き合うときも、『今まで培ってきた技術があるから、今回の作品もその引き出しで』なんて考えたことは一度もないんですよ」
チームプレーに魅せられて
今回の『ハムレット』でも、石黒さんは過去の自分に頼らず、まっさらな状態で仲間たちと作品を創り上げたいという。そのメンバーは、ハムレットを演じる歌舞伎俳優の市川染五郎さん、恋人・オフィーリア役の當真あみさん、そしてシェイクスピアの母・ガートルード役の元宝塚歌劇団花組トップスター・柚香光さんといった、世代もバックボーンもまったく異なる俳優たちだ。
「こういうチームでのものづくりが、大好きなんです」
その思いの原点には、新人時代の体験がある。
「僕は、俳優になりたくてこの世界に入ったわけじゃないんですよ。高校3年生のとき、ひょんなことからドラマに出ることになって。まったくの素人でしたから、現場では『下手!』『もう一回!』と怒鳴られてばっかり(笑)」
それでも現場に通い続けるうちに、少しずつ“この世界のおもしろさ”が見えてきた。
「子どものころからテニスをやっていたんですが、テニスは個人競技。自分ががんばればいい世界です。でも撮影現場は違います。カメラマン、照明さん、音声さん……、みんなでひとつの作品を作るんだと気づいたとき、すごくおもしろいと思いました。自分だけよくてもダメで、相手もよくなきゃダメ。じゃあどうやったら相手をよく見せられるのか。そういう“チームプレー”みたいな感覚が、当時の僕にはたまらなく魅力的でしたね」
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