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【豊臣兄弟!】非情な振る舞いが増える織田信長(小栗旬)。次回「本能寺の変」はどう描かれる?

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志賀佳織

【豊臣兄弟!】非情な振る舞いが増える織田信長(小栗旬)。次回「本能寺の変」はどう描かれる?

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第26回より ©️NHK

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。今まであまりスポットライトの当たることのなかった豊臣秀長を主人公に、戦国時代がどう描かれるのか? ここでは、ストーリー展開が楽しみな本ドラマのレビューを隔週でお届けします。今回は、第25回「変事の予兆」と第26回「信長を笑わせろ!」です。

このところ、「豊臣兄弟!」の「本能寺の変」の予告が、たびたびテレビでも流れてくる。確かに大きな歴史的転換点で、このクーデターによって戦国時代の勢力図も大きく塗り替わり、いよいよこの物語の主人公たちの天下統一への道が急激に進み始めるのだから、絶対に見逃せない回だ。そして、これまで何度もさまざまな映画やドラマで描かれてきたこの歴史的大事件が、「豊臣兄弟!」ではどう描かれるのか、非常に興味のあるところである。

第25回「変事の予兆」と第26回「信長を笑わせろ!」では、織田信長(小栗旬)がその権力を不動のものにしていくのと逆行するように、猜疑心や恐怖心ばかりが募って孤独に追い詰められていく様が描かれていく。周りの者たちを震え上がらせるような非情な振る舞いも増えていくのだが、それと並行して、こうした君主の言動に家臣たちがどのような思いを積み重ねていったのか、明智光秀(みつひで/要潤)の置かれた立場やその時々の思いを中心に見ていくと、こちらのハラハラドキドキも、徐々に高まっていく。

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明智光秀(要潤)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

第25回「変事の予兆」

播磨平定を成し遂げた信長は、本願寺との和睦も成立させ、とうとう畿内を制した。西国の毛利、東国の武田への侵攻はまだ途中であったが、天下一統は見えてきていた。羽柴筑前守秀吉(ちくぜんのかみひでよし/池松壮亮)は、長年仕えてくれている蜂須賀正勝(まさかつ/高橋努)を、西播磨の龍野(たつの)城城主に任命する。かつて秀吉は、正勝に「三年後に城持ちにする」と約束をしたのだった。実際はそれから15年と随分遅くなったわけだが、約束は果たされ、正勝もまた「この先、何があってもわしは殿のお力になり申す」と、改めて秀吉への忠誠を誓った。

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前野長康(渋谷謙人)、蜂須賀正勝(高橋努)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

そして天正8(1580)年、「日の本一の城」安土城がついに完成した。信長は城の工事の中心を担った丹羽長秀(ながひで/池田鉄洋)を褒め、丹羽を支えた信長の甥・織田信澄(のぶずみ/緒形敦)も労うと、「天下に織田信長の安土城ありと知らしめるのじゃ」と宣言、祝宴が始まった。信長と、秀吉、羽柴小一郎長秀(こいちろうながひで/仲野太賀)ら苦楽をともにしてきた家臣たちが酒を酌み交わす中、能も披露されて、宴は和やかに進んでいた。

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大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

そんな中、秀吉は「さすが上様じゃのう」と小一郎に呟く。「わしはこの城よりも、信澄様こそが上様の大きさを示す証だと思うとる」と言うのだ。信澄は、かつて信長に対して謀反を起こして討たれた実弟・織田信勝(のぶかつ/中沢元紀)の遺児で、本来であれば、信勝とともに殺されていてもおかしくはない立場だった。しかし、信長は幼い信澄を助け、柴田勝家(かついえ/山口馬木也)に預けて養育したのだった。そして現在は明智光秀の娘と結婚して、皆から慕われているのだと、秀吉は小一郎に説明した。

能が終わり信長が称賛すると、シテが面を外して信長に挨拶をした。その人物は土佐の国主・長宗我部元親(ちょうそかべもとちか/磯部寛之)だった。信長は「四国の切り取り(領土を奪うこと)はどうなっているか」と尋ねると、「着々と進んでおりまする。これも上様に認めいただいたお陰でござりまする」。その答えに「これからも存分に進められよ」と信長は声をかけた。

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長宗我部元親(磯部寛之)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

そして突然、家臣たちの相撲を披露すると言い出す。指名されたのは、森可成(よしなり)の息子・森乱(らん/市川團子)と古くからの家臣の一人、林秀貞(ひでさだ/諏訪太朗)であった。最初はその年齢からためらっていた秀貞であったが、宴の和やかな雰囲気に押されるように出てくる。しかし呆気なく、若い乱に倒されてしまった。すると、信長が急にこう告げるのだ。「うぬは追放じゃ。一族もろとも今すぐわしの前から消え失せよ」。あまりのことに狼狽する秀貞。しかし、それは冗談でも気まぐれでもなかった。信長はさらに声を荒げた「失せよ!」

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森乱(市川團子)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

宴の場が一気に凍り付く中、次に呼ばれたのは、佐久間信盛(のぶもり/菅原大吉)であった。彼もまた敗れて、追放を命じられた。誰もが身をすくめて震える中、次に名前を呼ばれたのは、小一郎の妻・慶(ちか/吉岡里帆)の父である安藤守就(もりなり/田中哲司)だった。驚いた小一郎は自分が代わると名乗り出るが、守就に止められ、守就はやはり負けて信長より追放が命じられた。

小一郎と秀吉が追放の理由を探っていると、光秀がこう報告してきた。信盛は本願寺と、秀貞と守就は武田と通じていた、それを信長は裏切りと決めて、今回の沙汰をしたというのだ。小一郎はそれを聞き、守就を問い詰めるが、守就は断じてないと否定。しかし、調べてみると、守就の息子・安藤定治(さだはる/森優作)が武田と通じていたことがわかった。定治はその理由を戦続きの日々に「もう疲れたのです」と、苦しみを振り絞るように吐き出した。

小一郎は、政に関わらなければ信長も許すはずだから、ともに暮らそうと、守就に提案するが、守就は羽柴家に迷惑がかかることを恐れて、黙って屋敷を去ろうとする。早朝、それに気づいた小一郎と慶が引き止めるがその決意は変わらず。慶が涙を浮かべる中、羽柴家を去っていった。佐久間信盛は高野山へ入り、林秀貞は山城へ流れてその2カ月後にその生涯を閉じた。

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安藤守就(田中哲司)、慶(吉岡里帆)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

天正9(1581)年2月、信長は京で大規模な「馬揃え」を行った。「馬揃え」とは、本来、名馬を集めてその優劣を検分したり、士気を鼓舞する武家社会の行事だが、信長は華麗に飾った騎馬のパレードを行って、その威信を天下に示した。その見物人の中には、女物の装束をまとった長宗我部元親がいた。幼い頃から女子のようだと言われ、今もそのような姿でいると落ち着くのだと元親は小一郎に言う。そして、四国平定の折には、「うまい魚をこじゃんと馳走するき、遊びに参れ」と約束をするのだった。

【豊臣兄弟!】非情な振る舞いが増える織田信長(小栗旬)。次回「本能寺の変」はどう描かれる?(画像8)

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回より ©️NHK

しかし、そんなある日、信長は光秀を呼び、元親による四国切り取りを認めないことにしたと告げる。「なぜでござりまするか」とショックを隠せない光秀に、信長はただ「気が変わったのじゃ。うまく説き伏せよ」と言うだけであった。腑に落ちない思いを抱えたまま悶々とする光秀の元に、娘婿である織田信澄がやってきて、紙片を渡す。「舅殿、このようなものが舅殿宛てに」。中を開いてみると、「可討取信長候也」(信長を討ち取るべく候なり)という一文と十五代将軍・足利義昭(よしあき/尾上右近)の花押があった。光秀の頭の中に、義昭の言葉がよみがえってくる。「光秀、わしのもとに戻って参れ。信長を討て!」

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