朝ドラ『風、薫る』半年後に驚き!バーンズ先生が突然ペラペラと話し始めて……金曜回終盤に視聴者騒然
公開日
更新日
田幸和歌子
1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。近代看護界の先駆者となった2人の女性を主役とする物語。「風、薫る」のレビューで、より深く、朝ドラの世界へ!
※ネタバレにご注意ください
▼前回はコチラ▼
>>朝ドラ『風、薫る』生田絵梨花、視線を引きつける透明感と存在感はさすがだとどめを指すかのようにバーンズが命じたのは……
『明治のナイチンゲール 大関和物語』(田中ひかる・中央公論新社)を原案とし、激動の明治時代を駆け抜けた二人のナースを、見上愛・上坂樹里のダブル主人公として描くNHK連続テレビ小説『風、薫る』の第6週「天泣の教室」が放送された。
前週にトレインドナースを目指し、「梅岡女学校 付属看護婦養成所」の第1期生となった、りん(見上愛)と直美(上坂樹里)。父が旧幕府の奥医師であり、兄と弟も医師であるという多江(生田絵梨花)をはじめ、しのぶ(木越明)、トメ(原嶋凛)など学友も登場、きわめつけは前週ラストに登場した、ナイチンゲールに教育を受けたという外国人教師・バーンズ(エマ・ハワード)の存在である。
そもそも第6週のサブタイトルにある〝天泣〟とはあまり聞きなれない言葉であるが、何を意味するのか。
天泣(てんきゅう)とは、空に雲が無いにもかかわらず雨が降る現象を指す。いわゆる「天気雨」や「狐の嫁入り」と同義の表現で、それを「天が泣く」と表現したものだ。言ってみれば、予想していないのに訪れる悪天ということになり、心がざわつく。
さて、「看護」とは何か。まだまだ幕府体制の名残りも色濃く残る作中の日本の社会では、看護は〝職業〟ですらなく、かつ、身分の低い者が行うものという感覚であることがこれまでにも描かれてきた。だからこそ彼女たちが道を切り開いていく意義がある。とはいえ、看護をはじめとした、人が生きていくための助けとなる「エッセンシャルワーカー」の地位は令和の日本社会においても決して高いものではないという悲しい現実がある。本作を通じて、そこについてもあらためて考えていくきっかけになることをこれからの展開にも期待したいところだ。
さて、バーンズが命じたのは、シーツ交換、校内の清掃、換気、そしてエプロン作りといったものだった。いわゆる座学、ましてや実習などはなかなか行われない。りんたち生徒には、「看護を学びにきたのに」というとまどいと不満がつのる。看護とは何か。それは自分自身で考えろとバーンズは言う。
そして、とどめを指すかのようにバーンズが命じたのは、日本髪をやめろということだった。油で固めることでケアする性質を持つ日本髪は、洗髪も月に1回程度であり、何よりも清潔さが求められる看護の世界においては適したものではない。バーンズはそれを「不潔だから」と言い切る。しかし、当時の女性にとって日本髪は、男性の髷と同じで大きなアイデンティティであっただろう。入学前に自らの意志で髪を切った直美が驚きの目で見られていたことからもそれは明らかだ。
