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朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい

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田幸和歌子

朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい

「風、薫る」第35回より(C)NHK

1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。近代看護界の先駆者となった2人の女性を主役とする物語。「風、薫る」のレビューで、より深く、朝ドラの世界へ!
※ネタバレにご注意ください

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>>朝ドラ『風、薫る』半年後に驚き!バーンズ先生が突然ペラペラと話し始めて……金曜回終盤に視聴者騒然

「看護」とは何かを説明する立場になる

『明治のナイチンゲール 大関和物語』(田中ひかる・中央公論新社)を原案とし、激動の明治時代を駆け抜けた二人のナースを、見上愛・上坂樹里のダブル主人公として描くNHK連続テレビ小説『風、薫る』の第7週「届かぬ声」が放送された。

テンポよく進むストーリーのもと、看護婦見習いとして、早くも病院での帝都医科大学附属病院での実習に突入、りん(見上愛)、直美(上坂樹里)たちは実際に患者と向き合うこととなった。

フィクションの世界でそれは何事においてもそうだと思うが、自身の感覚としてそれが当たり前になっているものを、存在しない状態から描くということは、演じ手、そして作り手側も難しい一面はあるだろう。スマホとか、ライターとか、その時代に存在しない便利アイテムなどによる衝撃などはコメディ演出などで効果的にしかもわかりやすく用いることができるだろうけれども。

このドラマで主人公たちが悩みながらも身につけていく「看護」とは、概念である。そして、職業としての看護師は、この時代の日本にはまだ浸透していない。早いテンポで進みながらもそこを土台とし、日本初のトレインドナースの誕生を見守りながらストーリーが展開していく。「梅岡女学校 付属看護婦養成所」の第1期生だったりんたちは、看護婦見習いとしても第1期、初の存在となる。これまで何度も描かれてきたが、当時は病人やけが人の看護とは、身分が低い者が行うものとされ、元家老の家系の娘のりん、医系家族の多江(生田絵梨花)らがその見られ方にとまどう部分も描かれてきた。

当時の病院には、看護師ではなく「看病婦」という存在のひとたちが病人の世話をしてきた。患者ばかりか医師ですら看護婦という存在をいまひとつ理解できていない状態で、看護婦見習いたちは、今度は自分たちがバーンズ(エマ・ハワード)の教育から学んだ「看護」とは何かということを説明する立場になる。実習で実際に訪れた附属病院は、見るからに不衛生な環境で、看病婦たちがやることといえば、医師の指示通りの投薬と食事の配膳ぐらいであった。

朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい(画像2)

「風、薫る」第31回より(C)NHK

朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい(画像3)

「風、薫る」第32回より(C)NHK

朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい(画像4)

「風、薫る」第32回より(C)NHK

りんたちは、この環境から改善していこうと、前週バーンズから教えを受けたように、清潔であること、換気、花を飾る、患者の様子を記録することなど、病院に「看護」を導入しようと奮闘する。しかしそれは、「余計なこと」のようなあしらいを受け、しまいにはりんの担当患者で元警察署長だという園部(野添義弘)に「下女風情が」と患者に吐き捨てられるように言われる始末だ。

この園部が教授の今井(古川雄大)による総回診では「おかげさまで」とへこへこ頭を下げたりする。また、助教授の藤田(坂口涼太郎)も、「思い上がるな」と、医師と看護師見習いの圧倒的立場の違いを突きつけるような態度をみせる。当然、もともといた看病婦たちともぎくしゃくする。これらがりんたちの存在がどういう位置付けかを分かりやすく伝えてくれる。

そのように主人公たちが、視聴者目線では明らかに理不尽な苦難を突きつけられ、そこから道を切り開いていこうと奮闘する姿を描くのは、かつての朝ドラの定番の空気のようでもある。

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