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朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい

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田幸和歌子

直美は処世術を身につけていく

そんなりんたちを見守る立場といえるバーンズはといえば、温かく包み込むように励ますわけでもないところが、高いキャラクター性につながる。りんを「下女」呼ばわりした園部を、「いい患者に出会いましたね」と言い、りんにとって学びになる患者だという考え方を示す。もちろんりんだけでなく、見習いの彼女たちが人間関係を含む病院のさまざまな環境への不平やとまどいを、それがあなたちにできる最大の看護ですかと問いかける。冷たいようでいながら、決してやさしく手を差し伸べるでなく、自分たちで考えて乗り越えていけ、これがバーンズ流の愛情であり激励なのだろう。

りんたちは、自分たちの詰所を清潔に整え、記録をつけていくことから、あらためて始めていく。その一方で、りんが患者への接し方に悩み続けるのに対し、直美は藤田をうまくおだてるような扱いをし利用するという処世術を身につけていく。その対比がこの先の展開にも影響が出てきそうなところにも注目したい。

朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい(画像5)

「風、薫る」第33回より(C)NHK

がんばりむなしく、りんは、手術の縫合不全がもとで容体が悪化した園部の担当を外されてしまう。その後、再手術は無事終わり、園部は退院するわけだが、もっと最初にうまく看護ができていればこれほど長引くこともなかったのではと後悔するりんは、退院する園部に声をかけたものの園部は最後までそっけない態度でりんにあたるのだった。なかなか通じないりんの思い。サブタイトルの「届かぬ声」そのままのやるせなさである。落ち込むりんに対して、バーンズは「ごうつくばり」「欲張り」と言い、そしてきっぱりと続けた。

「看護は見返りを求めてするものではありません。感謝されて気持ちよくなりたいのは、あなたの身勝手な欲です」

患者が回復し、退院していくこと、それが一番である。もっともである。あらためて看護とは何かを突きつけられることとなったりん。前週ラストで「もうここで教えることはなにもありません」とバーンズに言われ、「え、もう学ぶターンは終わり?」と驚いたが、それは学校での話で、「看護」という今までにない概念を学んでいく道のりはまだまだ始まったばかりであることがよく分かるやりとりであった。

朝ドラ【風、薫る】仲間由紀恵演じる侯爵夫人が波乱を呼ぶ? りんと直美の成長を見守りたい(画像6)

「風、薫る」第35回より(C)NHK

つぎにりんが担当を命じられたのは、乳がんのため入院してきた侯爵夫人の千佳子(仲間由紀恵)である。VIP待遇にも不満を漏らし、看護婦・看病婦を「女中」呼ばわりするような分かりやすく厄介な患者の登場で、患者たちがある意味主人公たちの成長のためのクエストツール的存在にはなっているものの、元家老、元士族の娘が、侯爵夫人にどう接し、どう成長をしていくか、見守っていきたいところである。

そして、処世を身につけはじめた直美に、この先どのようにスポットが当たり、直美なりの成長につながっていくのか。次週以降に期待したいところである。

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