エッセイスト柳沢小実さんの【住まいのお金の使い方】予算内でよいものを探すコツとは?
住まいは、自分らしく過ごせる快適な空間にしたいもの。そこで人気エッセイストの柳沢小実さんのこだわりが詰まったお家を紹介します。お金をかけるところとそうでもないところのバランスが絶妙です。
長く寄り添えるように流行に左右されないもの選びを
北欧では、ごく普通の人も、とびきりお洒落に自宅をしつらえていました。家づくりに愛情を注ぎ、パーソナルな空間を居心地よく整えて、家時間を心豊かにすごす。家にこもる時間がことさらに長いため、家づくりの基本的な考え方は、彼らの住まい方に大きく影響を受けています。そこで、家自体はシンプルにして、タイルや床材だけは上質なものを選びました。
現在の家は人生で9軒目の住まいですが、立地や広さ、間取りや設備などは、どれも一長一短で、完璧な家はありませんでした。逆に、どんな空間でも「住めば都」です。すっきり整えて小ざっぱり暮らすことのほうが、よっぽど大事だと学びました。
住居費に関しては、持ち家の場合は住宅ローンの返済と、数十年後にやってくる家のメンテナンス費用があります。住居費は人生の3大出費のひとつで、毎月大きな割合を占めるので、それ以外の出費を抑えるために、「模様替えをしない」「季節ものやイベント用のアイテムは絞る」という2点を、日頃から心がけています。つまりは、インテリアアイテムを多く持たない、ということ。生活必需品に分類されるものは必要ならば購入しますが、たとえばハロウィンの飾りやクリスマスツリーなどは、毎年心が揺れても見送っています。
あとから替えにくいものほど、長持ちするよう予算をかけて
洗面所のタイル
「壁に貼るタイルは、あとから替えにくいよ」と教えていただいて、特に洗面所は朝晩目にする場所だから、気分が上がるタイルを探しまわりました。タイルの貼り方は、縦横で印象がかなり変わるので、そちらも熟考して。
ダイニングテーブル
家を建てたタイミングで、ようやく手に入れたダイニングテーブル。元々使っていたアンティークの食器棚と素材を揃えて、こちらもオーク素材をチョイス。お手入れしながら一生使えるよう、無塗装のオイル仕上げを。
リビングの床材
木の質感が好きなのと、キレイなまま保ちたい派なので、床材は丈夫なものを選びました。住みはじめて4年経ちますが、傷や汚れがつきにくく、メンテナンスの手間もかからない。良い買物だったと、今でも思っています。