60代、ショコラさんのキャリアストーリー。「私らしく働くために必要なこと」
history 仕事ヒストリー
パートでも、頑張れば稼げた時代。 家庭と両立しつつ、やりがいを感じるように
結婚前は、一般事務OLとして6年間勤務。寿退社したのち、次男が小学校に入学したのを機にパートで週3日働き始めました。「専業主婦がイヤだったわけではありませんが、外に出て社会と関わりたいという気持ちと、夫の給料ではなく自分で働いたお金がほしかったのです」
当時は景気がよく、面接の応募者全員に交通費までもらえた時代です。最初に選んだのは製薬会社のラウンダー。薬局を回って商品の説明をしたり、在庫状況を確認する営業補助のような外回りの仕事です。「10時から14時までで、直行直帰も可能でした。その後もいくつか会社を変えて勤務。時給なので働くほど給料はもらえるし、子どもたちが大きくなってくると忙しい時期は夜まで働くことも。自分の働きで売り上げが上がったり、販売促進のキャンペーンに携われたりすることがとても楽しく、やりがいも感じていました」
生活のためがむしゃらに働く日々。 体調を崩して早期退職を決意しました
別居後は、当時高校生だった息子2人の世話をしに毎日自宅通い。より安定した職を得るため、新聞広告で見つけた化粧品会社の契約社員として働くことに。「飛び込みの営業、サンプリングや新規事業など振られた仕事はなんでもやりました。とはいえ、座っているより外で人と話すほうが性に合っていたようです」
順調に成績を伸ばし、入社2年で正社員になりました。54歳で営業所長に就任。「でも現場が好きな私にとって、全体を管理する内勤はとてもつらいものでした。再び営業に戻りましたが、ストレスや職場の人間関係に疲れたのか帯状疱疹を発症。46歳で購入したマンションの住宅ローンを完済していたこともあり、定年を待たずに退職を決意したのです」
ハローワークに行くと50代と60代では求人の数が段違い。早期退職したことが結果的にはその後の仕事を選ぶには有利だったそう。「おかげで、今なお働き続けられるいい職場に出会うことができました」
turning point 人生のターニングポイント
退職後のモヤモヤを 禅の教えが晴らしてくれました
早期退職したことで、退職金は減額。「あれだけつらいと感じていたはずの職場なのに、半年くらいはやめたことを後悔する日々でした。パートで収入は確保できていたものの、お金の面で大きな不安を感じていたのです。前職とパート仕事を比べてしまい、やりがいを見出せなかったということもあります」
そんなときふと目についた新聞広告。「禅の教えを説く書籍の宣伝で、『大地黄金』という言葉が私の胸を突いたのです。自分が今置かれている場所で輝く人になること。悩みや不安の9割は内なる妄想から生まれるものだと気づかされました。この広告は今も大切にとってあります」