一度棘が刺さったら最後、付属するルールもぞろぞろ出てくる。たとえば、「他人の体に許可なく触れる行為は、婚姻関係にある者しか許されない」「婚姻の相手は私を傷つけることも、離れることも許されず、反すれば罰が下る」と、理不尽のオンパレード。

当然、一郎は契約解除を望む。が、しおりは、その方法を調べつつも、その理由は「あなたとの真の恋愛関係を望むから」と告げる。
こんな脇目ひとつ振らない純度100％のピュア女子、いまどき絶滅危惧種。だからこそ、筆者の心にもじんわり沁みてくる。

ところで、普段しおりのお尻から出ている尻っぽはどこに隠されているのか？　そして、どんなときにピンと飛び出すのか？　２人の関係がこの先恋愛に発展していくなら、いよいよのときにその尻尾は邪魔にならないのか……気になっている方も多いのではないだろうか。

そして第１週の締め、しおりの言葉を受けて返した一郎の、「あなたとのルールを覚えたいから。あなたのこと、もっと知りたいです」という相聞の言葉。
破天荒なストーリー設定にもかかわらず、カメラワークや効果音の演出に過剰に凝ったりすることなく、画面全体に穏やかであたたかい空気感を醸し出している。

一日の終わりに見る夜ドラ。２人のこれからを“親”のような目線で見守りたい、というほのぼのとした気持ちにさせてくれる。