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ドラマ「ラブジェネレーション」を一気見レポ! 木村拓哉・松たか子が演じる駆け引きしないふたり。「ちょ、待てよ」はここが原点だった!

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marumi

フジテレビドラマの月9「ロングバケーション」の大ヒットに続き、その翌年の1997年10月13日〜12月22日に放送された「ラブジェネレーション」。木村拓哉・松たか子ほか豪華なキャスト。冷蔵庫に書いた「哲平 スケベ」の文字が気恥ずかしい。「当時の若い男女は、いまとくらべてかなり肉食系だった?」……26年を経たいま、FODで一気見したレビューをお届けします。

広告代理店のクリエイティブで意気揚々と働いていた片桐哲平(木村拓哉)は、突然、営業部門への異動を命じられる。不本意な異動に納得できず、上司から切るように言われたロン毛は伸ばしたまま。そんな哲平のロン毛の“後ろ髪”をはさみでジョキッ‼と断ち切ったのは、同じ部署のナマイキOL・上杉理子(松たか子)だった。そこから始まるふたりの恋の行方は……。

主題歌が堂々ネタバレの「幸せな結末」だし、だれでも想像がつくラストなのに、最終回の最後までハラハラドキドキさせられる。すれ違いにも、勘違いにも程があるというものだ。「そうじゃない!」「そこで降りちゃダメ!」って教えたくなる場面が何度も繰り返される。偶然や立ち聞きシーン満載。久しぶりに一気見しているいまはもはや、ジェットコースター酔いの心境だ。

でも、ふたりは駆け引きなんかしない。相手を嫌いになるときも、ハッピーなときも、そのとき感じたままをぶつけ合う。泥臭くて、いまでは見かけないほどみっともないラブストーリー。

しかも主役は、若いサラリーマンとOL。だからこそ共感できるし、平均視聴率が30%超えしたのだろう。

たとえば、哲平の部屋でふたりの夜を過ごした朝、理子が冷蔵庫に油性ペンで書いた文字は「哲平 スケベ」。苦笑いしながら哲平は理子を背中から抱き締める。当時の若い男女って、いまとくらべてかなりの肉食系? 見ているこっちが気恥ずかしい。

たとえば、高校時代の恋人で、いまは兄の婚約者になった早苗(純名理沙)に哲平がやさしく接するのが許せなくて怒って逃げるように走り去る理子。その背中に向かって哲平が人目も構わず叫ぶ「ちょ、待てよ!」。いまさら「待てよ!」って、手遅れだって! しかも、経験に学ばず、同じ失敗を繰り返す。

この「ちょ、待てよ!」というセリフ、思った以上に何度も哲平が口にしていたことを、今回初めて知った。しかも、バリエーションが豊富。「ちょ、待てよ!」がブームになったのは、「ラブジェネ」が原点だったのだ。

外見はチャラいし、都合のいいことを口にする軟派だけれど、内面は正義感と男気にあふれた硬派なキャラクター。それを、あたかも“素”であるかのようにナチュラルに演じる木村拓哉。そんな役どころ、いわば“Theキムタク”が見たいから、みんなドラマを見続けた。東京の渋谷や大阪の心斎橋にロン毛男子があふれたのも、彼を意識してのこと。時代の象徴だったのだ。「ラブジェネ」から26年たったいまだに、木村拓哉にしかできなかったことだと思う。まさに「もともと特別なonly one♪」、孤高の存在だ。

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