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山村美智さんに聞く、伴侶を失ってからの生き方。「今の私だから楽しめる“何か”を探そう。ある日、突然、そう思えたんです」

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ゆうゆう編集部

ずっと一緒に、人生を歩むはすだったのに——。長年連れ添った伴侶に先立たれたとき、その現実と向き合い、乗り越えるのは容易なことではありません。それでも、自分の人生を歩んでいくためには、どうしたらいいのでしょう。2020年12月に、夫との別れを経験した山村美智さんに、お話を伺いました。

どんな励ましの言葉も今はまだ心に響かない

映画や朗読ライブへの出演の他、動画投稿サイトで披露しているハイレベルなダンスパフォーマンスが話題となっている山村美智さん。幅広い活躍の一方で、山村さんの心は今も、最愛の夫をなくした深い悲しみと喪失感の中にある。

「夫が旅立って2年と少し。亡くなった後の1年くらいは、毎日叫ぶように泣いていました。その後も、思い出しては泣いてしまって」

今でも、ちょっとしたことをきっかけに、堰を切ったように涙があふれて止まらないことがあるという。
「時間の経過とともに悲しみは薄らぐとか、ひとり暮らしもいいものだとか、そう励ましてくれる人もいますが、私にはまだ響かなくて。

アメリカでは、パートナーをなくした悲しみから立ち直るまでに、7年かかるともいわれているんですって。ニューヨーク帰りの友人が、そう教えてくれました。だとしたら、私の場合はあと5年が必要ということになります。長いなあと思ったり、まだ2年なんだから、今は悲しくたって当たり前だと妙に安心したり」

おおらかな夫のもとでいつも自由でいられました

フジテレビの人気アナウンサーとして多忙を極めていた時代、同僚で遊び仲間だった宅間秋史さんと職場結婚した山村さん。夫となった宅間さんはその後、数々のドラマやバラエティ番組をヒットさせ、「ミスターフジテレビ」と称される敏腕プロデューサーとなった。

1984年5月、都内のホテルにて挙式・披露宴。人気アナウンサーの結婚は、テレビや雑誌で大きく報じられた。

W杯ブラジル大会を現地で観戦。「サッカーは共通の趣味。家での会話が選手の話題でもち切りになることも」

「先日、生前の夫をよく知る方に、『彼はイエスから始まる人だった』と聞かされました。確かにそうなんです。どんなことも、誰に対してでも、まずはポジティブに、肯定的に受け止めていましたね。そしていつも明るくてユーモアたっぷりで。一緒にいると安心できたし、のびのびと自由に生きられました」

お互いを「みっちゃん」「秋ちゃん」と呼び合っていたおふたり。旅行やサッカー観戦、食べ歩きなど、楽しいことはいつも一緒だった。

「子どもがいなかったこともあって、どこか親友のような関係でした。また、私はシングルマザーの家庭で育ったので、夫の中に理想の父親像を見ていたのかもしれません」

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