【大人の会話術】会話3大NG「愚痴」「自慢話」「決めつけ」と、どうつき合う?
一緒にいても楽しくないと思われたり、嫌われたりしがちなのが【愚痴】【自慢話】【決めつけ】の多い人。自分がそう思われないように気をつけるのはもちろんですが、相手がそういう人の場合は、どう対応したらいいのでしょう? コミュニケーション・インストラクターの杉山美奈子さんに対処法を伺いました。
【愚痴】を言われたとき、言ったときには?
愚痴はただただ聞くのが思いやりです
「いつも愚痴ばかりでは困りますが、必ずしも愚痴はよくない、というわけではないと思うんです。表面的ないいことばかり話していても、なかなか親しくなれないですよね。愚痴をこぼすことによって、相手との距離が縮まることもあるので」
愚痴を聞かされたときは、どのように応じるのがいいのだろうか。
「愚痴に対して『本当! ひどいね』などと応じれば、相手はさらに愚痴を言いたくなるし、『そんなことないんじゃない』『思い込みよ』などと否定すれば、相手は満たされない気持ちになります。肯定も否定もせず、ときどき『そうなんだ』『そうなのね』などとあいづちを打ちながら聞いてあげましょう。愚痴を聞いてもらうだけで、気持ちが少し軽くなるはずなので」
愚痴を聞いてもらったら「ありがとう」を伝える
愚痴を話せるというのは、相手に心を許す関係ともいえる。
「愚痴を言うときは、相手やその場にいる人に共通する愚痴か、というのを意識したいですね。子や孫のいない人ばかりの場で、孫やお嫁さんの愚痴を言えば気分を悪くする人がいるかもしれません。愚痴を聞いてもらったら『聞いてもらってラクになったわ。ありがとう』と、その場でもいいし別れてからメールでもいいので伝えます。『いつも愚痴ばかりですみません』では場が暗くなるので、『嬉しかった、気持ちが軽くなった、ありがとう』と感謝が伝わる言葉を使うといいですね」
Point
⚫︎愚痴を言われたら「そうなんだ」と一度受け止める⚫︎
相手はとにかく自分の思いを吐き出したいので、「そうなんだ」「そうだよね」と、まるごと受け止める。話の途中で意見を言ったり、さとしたりしても相手には伝わらないと思って。
⚫︎共感したら「わかるわ、それはしんどいね」と伝える⚫︎
相手が悲観的になっているとき、辛い思いを抱えているときは、話を聞いたあと、その思いに沿って「わかるわ」「辛いよね」「頑張ったね」と伝えると、相手の気分も軽くなる。
愚痴のこんな対処法はNG!
✖️「ひどいわ、それで?」と話を広げる
話の途中で「ひどいわね」「それで?」と先を促すようなことを言うのもNG。ますます気持ちが高ぶり、愚痴が止まらなくなることも。さらっと受け止めるのも思いやり。
✖️「私だって〜」と自分の話を始める
途中で相手の話をさえぎって、「私も、同じ。こうだったのよ」と話を横取りしたり、「誰でもあることよ」とさえぎったりするのはNG。相手は、とにかく話を聞いてほしいのだから。
✖️上からアドバイスをする
「考え方を変えたらラクになるのに」とか「もっと大変な人もいる」など、相手を否定するようなアドバイスは、相手の気持ちをさらに重くすることに。相手の心に寄り添って。