【どうする家康】信長(岡田准一)が家康(松本潤)をもてなした献立が記録に残っていた
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鷹橋 忍
信長の饗宴
天正十年安土御献立
天正10年5月15日、ドラマでも描かれたように、信長は酒向芳さん演じる明智光秀に接待役を命じ、安土を訪れた家康一行をもてなしています。
光秀は京や堺で山海の珍味を調達し、贅を尽くした料理を準備したといいます。
このときの献立が、記録に残っています(『続群書類従・第二十三輯下 武家部』所収「天正十年安土御献立」)。
献立は、5月15日の到着後と、その日の夕食、5月16日の朝食と夕食の、合計4回分が記されていますので、5月15日の2食を、ご紹介しましょう。
豪華な料理
5月15日の到着後の食事
本膳
たこ、鯛の焼き物、菜汁、なます、香物、鮒のすし、御めし。
二膳
うるか、宇治丸(うなぎ)、ふと煮、貝鮑、はむ、鯉の汁
三膳
焼き鳥、がざめ、にし、すずき汁
よ膳(原文のママ)
巻きするめ、しきつば、しいたけ、鮒汁
五膳
まなかつおさしみ、しょうが酢、けずり昆布、鴨汁
御菓子
ようひ餅(羊皮餅)、豆飴、美濃柿、花に昆布、から花
15日の夕食
十五晩御膳(原文のママ)
水あえ、あゆのすし、干鯛、こまごま、御めし
二膳
串あわび、なし漬け、こち汁
三膳 菱食
かく煮、つぼ、鯛の羹。
折二こう
角盛、つぼ盛、ふくらいり、きしませにぶどう
折二こう
かわらけの物、そのほかいろいろ出申候
(江後迪子『信長のおもてなし 中世食べもの百科』吉川弘文館)
どんな料理だかイメージするのが難しいものもありますが、現代の私たちでも美味しく頂けそうな気がします。
信長は自ら膳を据えるほど、家康たちを手厚くもてなしたといいます。
そんな信長とも、もうすぐお別れでしょうか。
次回のタイトルは「本能寺の変」です。