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佐藤浩市さんが62歳の今、思うこと。「保守的にならず、自分の引き出しにない新しいものに取り組み続けたい」

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ゆうゆう編集部

何年経っても新鮮に映る心に残る映画が完成

「流星は撮影中から『プロテストを受けようかな』と言っていました。ボクシング映画を嫌うボクシングファンも多いけど、それを覆すほどのエネルギーがあったと思います」

物語のクライマックスは、翔吾が窪田正孝さん演じる現チャンピオン・中西と戦う世界タイトル戦。その対戦シーンの迫力たるや! 

「試合のシーンは4日間、朝から晩までカットを重ねています。リング上では叩き合いをして、トレーナー役のこっちも声をからして。あのラストの20分を長いと感じるお客はいないと思う。流星や窪田の頑張りも含め、彼らがフィルムに投射したものは、何年経ってもそのときどきに観る人の目に新鮮に映るはずです」

翔吾は仁一に指導を仰いで再起を目指し、仁一も翔吾に教えることで世界チャンピオンという夢の舞台に再び挑戦する。ボクシングを通して生き方を問い、人はいくつになっても挑戦できる、何度でも輝けるのだと教えてくれるような作品。

「エンターテインメント劇でありながら、ちょっと違うアングルで人の心に残る映画だと思います。結局、人は自分が駄目だったことに対する言い訳をつけて生きざるをえないんですよ。それは決して悪いことじゃないし、そう思って生きるのも大事なこと。でもその両極として、年齢を重ねた我々が若い子たちに触発され、若い子たちの生き方から自分の人生を振り返って、改めて何かを感じたり教えられたりすることもあるんじゃないかなと。そういう映画になっていると思うし、そう感じてもらえたら嬉しいです」

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