普及が進む【キャッシュレス決済】。新たに解禁された「給与のデジタル払い」とは?
デジタル払いは本人の希望による
給与のデジタル払いを会社が導入するには、事前に、
①労働者の過半数代表者などと書面による協定を結ぶこと
②労働者に銀行との違いや仕組みなどを説明し個別の同意をとること
が必要です。
デジタル払いは個別の同意がなければ行うことができませんから、労働者本人が希望しない限り、勝手にデジタル払いに変更されてしまうようなことはありません。これまでどおり口座振り込みなどで給与を受け取ることができますし、会社からデジタル払いを選ぶよう強要されることも、もちろんありません。
デジタル払いの活用法
給与の一部をデジタル払いで、残りを銀行振り込みで、といった受け取り方も可能です。たとえば、手取り額20万円の方が、5万円だけをデジタル払いに、残りの15万円は従来どおりの口座振り込みにすることもできます(表2)。
個々のライフスタイルに応じた受け取り方が選択できるのです。
デジタル払いの上限額
資金移動業者は、送金できる金額などによって3つに区分されています。〇〇Payなどのサービスで給与のデジタル払いに参入できる資金移動業者は第2種に該当し、アカウントに貯められる金額の上限は100万円と決められています。そのため、デジタル払いによって〇〇Payなどの残高が120万円になった場合、超えた20万円は〇〇Pay などにあらかじめ紐づけしてある銀行口座に自動的に送金されることになります。
デジタル払いによって給与が資金移動業者の口座に入れば、給与振込口座から決済アプリにお金を移してチャージする手間を省くことができますから、送金や支払いがよりスムーズに行えるようになります。
さらに現金と違い、入出金の履歴が残るため、家計の管理が容易になることもメリットといえるでしょう。
キャッシュレス化のさらなる浸透によって、給与のデジタル払いのニーズは今後一層高まることが予想されます。ご自身のライフスタイルに合わせて賢く利用したいものです。
●法制度などは、2023年7月末現在のものです。
※この記事は「ゆうゆう」2023年10月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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北村庄吾
きたむら・しょうご●1961年生まれ。熊本県出身。社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャル・プランナー。ブレイン社会保険労務士法人代表。年金制度に造詣が深く、テレビ出演多数。
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